注文住宅には耐震や断熱の性能、間取りなど、全てを自由に選べる良さがあります。平屋にすることも工務店によっては3階建てにすることもできる為、かかる費用に大きな幅があります。
ハウスメーカーの住宅や分譲住宅なら見学に行った時点でおおよその費用がつかめますが、注文住宅ではそれができません。30坪~40坪なら相場はどのくらいなのでしょうか?
30坪~40坪の土地に建てる家の相場に対する考え方
大きな軒とどこか懐かしい広い土間のある家 浜松市北区N様邸
同じ坪数の家でも、いくつかの要素によってかかる費用が変わります。そして相場として示されている数字は、要素によって変わる住宅の平均を割り出した金額です。費用が変わる要素にはどのようなことがあるのでしょうか?
延べ床面積の違い
30坪~40坪の土地に家を建てる場合、階数や建ぺい率によって延床面積が変わってきます。そして床面積によって、建築費が変わってきます。平屋で建ぺい率が50%の30坪の土地に建てる家の床面積はおよそ15坪、箱形の2階建てなら30坪です。
施工先による違い
注文住宅はハウスメーカー、工務店、設計事務所などに施工を依頼しますが、依頼先によってかかる費用が変わります。
高級志向のハウスメーカーが最も高額、ローコストのハウスメーカーが最も低額です。工務店や設計事務所は、自由度が高いので、建てる家の内容によって高額にもなり低額にもなります。ただ、同じ面積、同じ住宅性能の住宅ならば高級志向のハウスメーカーより価格を抑えられます。
住宅のグレード
耐震、気密・断熱、建材、住宅設備機器など、家づくりに関わる全てのグレードによって建築費は変わり、高級住宅にもローコスト住宅にもなります。耐震だけではなく他の方法でも地震に対する備えをする、高気密高断熱にする、標準より上の仕様の住宅設備機器を導入するなどの要素が増えるほど、建築費が嵩んでいきます。
地域
土地の価格ほどではありませんが、建築費にも多少の地域差があります。東京都やその周辺の県は、他の県に比べて比較的建築費が高額です。従って、同じ予算で家を建てる場合、都心部では予算のうち、土地にかける割合が増える傾向にあります。このような要素を知った上で、全国の平均的な建築費を見て行きましょう。
30坪~40坪の土地に建てる家の面積と費用相場
通り土間のある楽しい暮らし 湖西市O様邸
2021年にフラット35を利用して、新築した注文住宅の全国での平均的な面積は123.8㎡、坪に換算するとおよそ37坪、土地付き注文住宅では111.4㎡、およそ34坪です。
静岡県のある東海圏では注文住宅の平均的な面積は123.5㎡、およそ37坪、土地付き注文住宅では114.5㎡、およそ35坪です。
2021年にフラット35を利用して、新築した注文住宅の全国での平均的な所要資金は、3,572万円、首都圏3,899万円、東海圏3,650万円、土地付き注文住宅では全国平均 4,455万円、首都圏5,133万円、東海圏4,379万円です。
注文住宅を建てる場合、建築費の他に、付帯工事費も含まれますが、その分は平均費用に含まれているのだろうか?と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。フラット35の調査では、この平均金額が所要資金という名目になっていますので、「所要資金にどこまでが含まれるのか」ということが用語の解説に記述されています。
所要資金
申込時点における予定建設費と土地取得費を合計したものである。
建設費
主体工事費、主体工事に付随する電気、給排水、ガス設備、太陽熱温水器の各工事費、設計費、工事監理費、除却工事費、屋外附帯工事費、その他の経費の合計額(予定)である。
引用: フラット35 用語の解説
つまり、土地を購入して家を建てる場合には、土地と建築費と付帯工事などその他の家づくりにかかる費用、所有している土地に注文住宅を建てる場合には、建築費と付帯工事などその他の家づくりにかかる費用を合計した金額が所要資金ということになります。
参考資料 2021年度 フラット35利用者調査
参考サイト フラット35利用者調査
フラット35を利用しないで注文住宅を新築するケースもあるので一概には言えませんが、30坪~40坪の土地に建てる家の相場として考えても良い数字だと思います。この数字は平均的な数字なので、これだけの費用をかけなければ注文住宅を新築できないという訳ではありません。
また、これ以上に費用をかける住宅もあります。平均費用は、家づくりにかける予算を決める際と、施工の依頼先を決める際の参考にするという程度に受け止めておきましょう。
注文住宅の費用相場の捉え方
自然素材に包まれた空気環境が良い家 袋井市 M様邸
家づくりにはどのくらい費用がかかるのだろう…と漠然と考えている時期には、費用相場が参考になります。施工の依頼先を決める際にも費用相場を基に、適正な建築費なのかどうかを判断する参考にできます。
ただ、最も大切なことは家族の年収、家族構成、家族の暮らし方に合わせることです。多少無理があっても平均費用程度の予算にしないと良い家が建たないだろうと考える必要はありません。無理のない予算の中で家づくりの計画を進めることが大切です。
注文住宅はとにかく自由度が高いので、理想を追えば追うほど建築費は嵩んでいきます。その為、まず初めに家づくりにかけられる予算を明確にしておく必要があります。ご夫婦だけで生涯生きて行く家族と、子どもの多い家族では同じ年収でも家づくりにかけられる予算は違うはずです。
年収から割り出して無理なく返済できる住宅ローンの額を明確にした上で、家づくりにかける予算を決めていくことが大切です。銀行などの金融機関のホームページでは住宅ローンの借入額と返済期間をシミュレーションできるコーナーが用意されています。
このコーナーを利用する際の注意点は、借入限度額が安全に余裕をもって返済できる額ではないということです。自分の年収でこの金額まで住宅ローンが組めるのか…と鵜呑みにしてしまうと、暮らし始めてから住宅ローンに圧迫されることになりかねません。子どもの教育資金、不測の事態への備えなどを含め、余裕をもって日々の生活を送れる返済額を決め、その予算内で家づくりを進めましょう。
♠ 家づくりの予算にはタイミングも大きな関係があります。コロナ発生以降ライフスタイルが変化し、都市部のマンションより郊外の一軒家を好むご家族が増えています。一方、社会や経済という面から考えると、家づくりの費用は以前より高額になっている為、逡巡される方もいらっしゃるのでしょう。
家づくりに最適な時期を見極めるには、どのような考え方で判断していくべきなのでしょうか?
コラム 家を建てるタイミングはいつ?家づくりは最適な時期を見極めたい
予算内で理想の家を建てる為の考え方
梅雨の季節も爽やかに暮らす家づくり 浜松市浜北区 F様邸
家族の価値観や暮らし方によって、新築の注文住宅への予算の割り当て方は変わってくると思います。アウトドアリビングを楽しめる間取りにしたい、インナーガレージのある家にしたいなど、様々な希望があるでしょう。
その中で欠かせない要素について考えてみましょう。それは快適な室内環境と地震への備えです。快適な室内には、夏涼しく冬暖かい環境を少ないエネルギーで調えられる断熱性と気密性、調湿性に加え、空気を循環させる間取りが必要です。どんなに大きな地震が発生しても被害を受けない家には、確実な耐震性を持たせる構造計算が必要です。
その上で、新築時でなければできない空調や冷暖房の方法、家族全員がそれぞれ居心地よく過ごせる居室、家の中が常に整理整頓できるような収納、家事が楽になるランドリールームやパントリーなどについての計画を進めていくという考え方もあります。
一方、予算を抑える為の工夫には、1階と2階を同じサイズにし箱型の外観にする、リビングとダイニングキッチンを繋げる、住宅設備機器は標準仕様にするといったことが挙げられます。
また、予算内で理想を実現する要素の一つとして、その為の努力を惜しまない施工先との出会いがあります。同じ予算で建てても根気よく予算と理想のバランスがとれるまで、適切な提案をする工務店と、話し合いが不十分である、希望に対しての提案が少ないと感じられる工務店では、完成した住宅に差が出ます。
納得のいくまでキャッチボールができる工務店、予算と希望に合った提案ができる工務店との出会いが、理想の家の実現に繋がります。
♠ 国の定めた建築基準法を満たしているというだけでは安心できません。想定外と言われるような地震や台風に襲われても、ご家族の命と生活を守る家を建てることが、田畑工事の信念です。
コラム 浜松で注文住宅を建てる田畑工事が考える地震への備え
♠ 注文住宅での家づくりを進める際には、理想の家を目指して夢が膨らみますが、その支えは 家づくりにかけられる費用です。土地ありというケースと土地探しからというケースでは費用の内訳が変わってきます。理想を追うあまり、費用が嵩み過ぎると暮らし始めてからの生活が圧迫されてしまいます。何を目安に予算を立てていくべきでしょうか?
コラム 注文住宅の費用の内訳と予算の立て方
浜松で家族の暮らしに寄り添った自然素材の家を造る工務店
田畑工事は、「ご家族が生涯を通じて、健康・快適に暮らせる住まい」
という創業以来の想いを基に、家づくりをしています。
自然素材で建てられた家、一世代だけで終わる家ではなく、子や孫の代まで、心地よく暮らせる家、家族それぞれのライフスタイルに寄り添った家をお考えであれば、ぜひ田畑工事のモデルハウス見学や家づくり相談においでください。