注文住宅の土地探しはいつから始めるべき?土地が先?
土地がなければ家は建たないのだからまず土地を探そうと考える人は少なくありません。確かに、どんなに素晴らしい家が完成しても、通勤通学に半日奪われてしまう、日常的な買い物をする店が少ない、子どもが熱を出した時にすぐに行ける病院が遠い…というような環境にある土地では、暮らしやすい家とは言えなくなってしまいます。
そして、土地探しを始めるタイミングは土地探しの方法によって変わってきます。「家づくりの最も早い段階での土地探し」にはどのような方法があるのかを確認しておきましょう。
不動産業者に依頼する
一般的には土地探しは不動産業者に依頼します。特に家を建てようとしている土地で営業している不動産業者は、地域に密着しているので、地元の情報を多く持っています。
インターネットで探す
賃貸住宅のポータルサイトのテレビコマーシャルをご覧になった方もいらっしゃると思いますが、インターネット上には不動産のポータルサイトがあります。賃貸住宅だけではなく、全国各地の土地を探すことができます。
家づくりの初めの段階で土地探しをするという考え方に基づくこの2つの方法を比較してみましょう。地元の不動産業者に依頼すると、具体的に土地を見に行くまでの手順が早いです。
一方、不動産のポータルサイトで調べると、自宅に居ながら、様々な土地の条件と価格を得心が行くまで比較検討できます。全国的な土地の相場から、住みたい地域の土地の相場までもつかめます。ただし、土地の専門家のアドバイスを受けながら比較検討することはできないので、現実に移す段階まで時間がかかるとも言えます。
そして、この2つの方法には、共通するデメリットがあります。ひとつは、住宅の専門家のアドバイスを受けながら土地探しができないということです。もう一つは、建築プランと土地の購入のタイミングの調整が難しく、住宅ローンの他に土地先行融資、つなぎ融資などが必要になり、住宅ローンを一本化しにくいという問題点です。加えて、施工会社と不動産業ス後の連絡役をしなくてはならない煩雑さもあります。
土地探しのポイントは住宅の専門家のアドバイスを受けながら進めること
不動産業者やインターネットのポータルサイトでは叶えられない「住宅の専門家のアドバイスを受けながら進める土地探し」はどのようにしたらできるのでしょうか?専門家って…?土地探しの為に雇うの?と思われるかもしれませんがそうではありません。
ハウスメーカーや工務店など、施工の依頼先をまず探すということです。そして、ハウスメーカーや工務店と共に土地探しを進めていきます。つまり、土地探しはいつから始めるの?という答えは、「注文住宅の施工を依頼する先を決めた後」です。ではなぜ、「住宅の専門家のアドバイスを受けながら進める土地探し」が有利な土地探しなのでしょうか?
土地の価格を抑えられる可能性がある
土地の価格は地域や駅との距離など利便性に関わる条件によって変わりますが、土地自体が持つ条件によっても変わります。土地には、整形地と変形地があります。整形地とは正方形や正方形に近い長方形の土地です。変形地とは、間口が狭く奥行きの長い、いわゆるウナギの寝床と呼ばれる土地や、段差のある土地、三角形や台形などの土地です。
これらの土地は、設計が難しい、敷地内にデッドスペースが多くなりやすい、日当たりや風通しが悪くなる恐れがあるなど、数々の問題点から、一般的には好まれない土地です。その結果、同じ地域内にあっても、整形地より価格が抑えられている傾向にあります。
家族だけで土地探しをしている場合、購入する土地の候補から除外することが多いと思います。変形であるがために、理想の家の実現が阻まれてしまうことは誰にとっても避けたいことです。ただし、専門家の視点から考えると、悪条件を活かせる土地である場合もあります。
このような場合、家族だけではなく、専門家と一緒に土地を探していると、敷地周辺の環境と考え併せた上で、暮らしやすい間取りの提案を受けられます。南向きの景観が良くないという場合には、北向きリビングでも居心地の良い環境を創れる方法、段差がある場合には、段差を活かした設計など、専門家ならではの提案です。
期間が限定され施工先をゆっくり探せなくなる
土地を購入してから住宅の建築開始までの期間が長くなればなるほど、つなぎ融資の利息が上がっていきます。つなぎ融資の利息は住宅ローンの利息より高額であることが多いので、家づくり資金が圧迫される恐れがあります。その為、土地を購入した後は、できるだけ早く施工先を探さなくてはならないため、得心が行くまで、丁寧に施工先を選べなくなる恐れがあります。
■ もう一つのポイントである住宅ローンを一本化する為にも、土地探しより施工先を先に探す方が有利になる理由は、こちらのコラムをご覧ください。
コラム注文住宅の土地探しと住宅ローンの土地・建物一本化をする方法の関係
土地探しの注意点
土地形状を上手に活かす、家づくり 浜松市中区 M様邸
暮らしやすい家とは、住宅の質だけでは成り立ちません。家族の利便性と価値観、好みに合った環境に建っていることも大切です。どのような方法で土地探しをする場合であっても、家族の暮らしやすい土地の条件を明確にしておく必要があります。
注意点① 希望の土地の条件を明確にする
通勤、通学、日常的な買い物、公共の施設、地域の治安に加え、子育て中には子育て支援施設や保育園、図書館、交通量の少ない道路、安全な公園についても考える必要があります。
注意点② 土地の価格と建築費のバランスをとる
家族の希望を全て叶えようとすると、都心部ではなかったとしても高額な土地ばかりが候補に挙がってしまいます。土地に費用をかけすぎると、建築費が圧迫され、家への希望がかなえられなくなってしまいます。家づくり全体の予算の中から、建築費とのバランスを考え、どの程度土地購入に充てられるのかということを明確にしておくことが大切です。
■ 安心して家づくりを始めるために、予算内に収まる家の価格、自分たち家族の新しい家での毎日を、ゆとりのある生活にする資金計画について考えていきましょう。
コラム家づくりの初めの一歩 予算内に収まる家の価格を知りたい
注意点③ 土地の持つ自然災害に対する条件を見極める
専門家と一緒に探す場合には、この注意は必要ありませんが、家族だけで探す場合には、土地の持つ条件を見極めることが大切です。台風や大雨が続いても水が出ない、大地震があっても住宅に負担をかけない地盤の強さは、家族の安全な暮らしには欠かせない条件です。
特に平屋を建てる場合は、水害のない地域であることは必ず確認しましょう。また、どんなに耐震性の高い建物を建てたとしても、地盤が緩ければ倒壊してしまいます。その為、住宅の建築を始める前には地盤調査をし、状態に応じた地盤改良工事をします。この工事は深くまで及ぶにつれて工事費が嵩みます。その為、土地の価格は安かったから購入したが、地盤改良工事に高額な費用がかかってしまったというようなことにもなりかねません。