完全同居タイプの二世帯住宅

支えあって楽しく仲良く。平屋の二世帯住宅　　磐田市S様邸

親子だけが暮らす家と同じように、リビングやキッチン、浴室、玄関など家族全員で使う場所を全て共用する二世帯住宅です。三世代で暮らす良さがほとんどすべて享受できる家であり、人間関係の失敗が起こる確率が分離タイプに比べて高い家でもあります。

完全同居タイプの二世帯住宅のメリット

同居のメリットの一つは、それぞれの世代がお互いに助け合って暮らしていけることです。子世帯が共働きであれば、親世帯が孫の子育てに協力できます。保育園に預ける時間帯が短縮できたり、急なお迎えで仕事を抜けられない時には代わりに行ってもらったりというように、子世帯にとっては、いざという時に手助けをしてもらえる安心感があります。親世帯にとっては、孫の成長をリアルタイムで見守れる喜びがあります。

両親と子どもだけの暮らしでは、子育てに対する不安や、仕事との両立の難しさなどから、ストレスがたまり、育児ノイローゼになってしまうケースもあります。もちろん、親世代と同居していても子育ての悩みがなくなるわけではありません。それでも子育ての先輩である親世代からアドバイスを受けたり、子育ての手伝いをしてもらったりすることが、大きな助けになることは多いはずです。

孫にとっても、両親からは聞けないような話をしてもらえるチャンスが生まれます。同時に小さなころから両親以外の世代の人と交流するので、柔軟な人間付き合いができる子供になるのではないでしょうか？

親世帯、子世帯全員が仕事を忙しくしている家族の場合には、それぞれが協力して家事を分担し、一人一人にかかる家事負担を軽減できる良さもあります。また、親世代にとっては、将来的に伴侶を亡くした時の寂しさが、子供家族と共に暮らすことで和らげられる可能性があります。

完全同居タイプの二世帯住宅の間取りのポイント

たくさんの良さが生まれる完全同居タイプ二世帯住宅ですが、整理整頓しにくく物が溢れる家、それぞれの世帯のプライバシーが確保できない家、朝夕にラッシュが起こる家になってしまうと、暮らしにくい家、デメリットの多い家になってしまいます。

整理整頓しにくく物が溢れる家にしない収納力の高い玄関

瓦屋根が美しい二世帯住宅　磐田市　S様邸

二世帯住宅では三世代が共に暮らすので、大人数の家族です。家族が多ければ多いほど、家の中に物が増えます。その為、家族の持ち物の量と動線に見合った収納がないと、物が溢れる家、整理整頓出来ない家になってしまいます。その解決策の一つとして玄関の収納力を上げるという方法があります。

玄関は家族が毎日通過する場所です。朝は気持ち良く家を出られ、帰宅時にはホッと安心できる場所でなくてはなりません。また、来訪されたお客様にとっては、初めて目にする家の中の場所なので、家族へのイメージが形作られる場所でもあります。

帰宅時に靴を脱げないほどたたきに子どもの靴が溢れている、玄関に子ども外遊びの道具が置かれて乱雑な雰囲気になっているというような状況を生まない為には、玄関に十分な収納力を持たせる必要があります。

ゆったりした土間収納があると、家族全員の靴や傘、ベビーカーや子どもの外遊びの道具が収納できます。その他にコートや上着をかけられるクローゼットを設けると、リビングもすっきりします。

土間収納は、軽作業や外出の支度ができるように部屋のように造るタイプと、通り抜けのできるウォークスルータイプがあります。子どもがいる場合、戸の開け閉めをせずに簡単に靴がしまえるようにすることを考えると、ウォークスルータイプが向いています。子どもがしまいやすい収納にすると、玄関から上がる際には、必ず自分で靴を棚に置くという習慣が身に付きます。

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それぞれの世帯が暮らしやすい間取り

瓦屋根が美しい二世帯住宅　磐田市　S様邸

二世帯住宅に限ったことではありませんが、良い家の条件の一つは家族間の自然なコミュニケーションと、家族それぞれのプライバシー確保が並行する間取りです。二世帯住宅にはこの条件に世帯ごとのプライバシーも加わるので、より慎重に間取りプランを進める必要があります。

特にそれぞれの世帯の生活の時間帯に十分に配慮しないと、お互いの睡眠を妨げ、ストレスの基になってしまいます。帰宅が遅い家族がいる場合、早く就寝する家族の睡眠を妨げないようにすることもプライバシー確保の一つです。早く就寝する家族の寝室は玄関、LDKから離れた場所にする、1階に寝室を作る場合は、子どもの足音や2階のトイレからの排水音が響かない位置にするなどの配慮が求められます。

また、近年はリビングとダイニングキッチンを並べる間取りが主流ですが、この際に階段の位置によっては、来客があると家族が自由に行動できなくなってしまう恐れがあります。来客があっても、2階にいる家族が気を使わずに外出したり、ダイニングキッチンに飲み物やおやつを取りに行ったりできるような間取りの工夫が必要です。

その一つの例として、リビングの続き間に和室を作り引き戸で区切るという間取りがあります。二世帯住宅の場合、居室の数が多いので、客間を造らずリビングを広くとりたいと希望されるご家族は少なくありません。その場合にはリビングにお客様をお通しすることになるので、家族の行動が制限されたり、落ち着いておもてなしができなかったりすることがあるかもしれません。

そのような問題を解決する方法として、リビングの続き間として和室を造り、来客の際には引き戸を閉じて客間として使い、普段は引き戸を開放してリビングの延長として使うという間取りが考えられます。リビングに続く和室があると、小さな子供が突然眠ってしまった時にも便利です。引き戸を閉じれば、来客用の寝室としても使えます。

洗面所やトイレ、浴室の数

両親と子どもだけの家族でも、家族の生活の時間帯が重なっている場合には、通勤通学前の時間帯に、洗面所やトイレの数が足りなくなることがあります。また、子どもが年頃になると、洗面所を脱衣所としても使う場合、入浴中に家族が洗面所に入ってくることを嫌がったり、家族が入浴したいのに洗面所を長く使っていたりという状況になることがあります。

二世帯住宅では家族の人数が増える分、よりそのような問題が起こりやすくなると考えられます。その為、サブ洗面台や2階のトイレを設ける、洗面所と脱衣所は分離するなどの間取りを考える必要があります。

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部分共用タイプ・完全同居タイプの二世帯住宅の間取りのポイント

地震対策に最強のエアー断震システムを採用した二世帯住宅　豊橋市　H様邸

二世帯住宅の中には、部分共用タイプ、完全分離タイプがあります。

部分共用タイプ

部分共用タイプは、玄関と、その他にいくつかの部分を共用する二世帯住宅です。共用する部分が増えると、完全同居タイプの二世帯住宅の暮らし方に近くなり、玄関だけを共用するなど、共用する部分が少なくなると、完全分離タイプの暮らし方に近くなります。

玄関だけを共用する場合には、完全同居タイプの玄関と同じように、玄関に物が溢れてしまう傾向があるので、玄関の収納力を高める必要があります。

家づくり費用という面から考えると、完全同居タイプの二世帯住宅が最も建築費と土地の購入費を抑えられ、完全分離タイプは費用が嵩み、部分共用タイプは、共用する部分が少なくなるほど費用が嵩みます。共有する部分によって、暮らしやすさは大きく変わります。家族構成、家族の暮らし方、生活の時間帯に合わせて共有する部分を決めていくことが大切です。

完全分離タイプ

完全分離タイプは、家全体を左右又は上下に別けて、2軒の家のように暮らす二世帯住宅です。お互いの世帯のプライバシーは守られますが、自然なコミュニケーションが生まれないので、三世代が共に暮らすメリットはほとんど得られません。かえって、こんなに近くにいるのに顔も合わせないという寂しさが生まれる可能性もあります。現在は公募が終了している子育て支援の為二世帯住宅に交付される補助金でも、完全分離タイプは対象とされていません。

ただ、左右に分離する完全分離タイプは、将来的に片側を賃貸住宅として活用するなどの可能性があることと、部分共用タイプより資産価値が低下しにくいというメリットがあります。

近年は両親と子どもだけという少人数の暮らしに慣れている人が非常に多い為、三世代が同居する完全同居タイプの二世帯住宅への敷居を高く感じる人も多いのではないでしょうか？それでも、間取りの工夫をすれば、家族が仲良く幸せに暮らせる家になる可能性は十分にあります。加えて、部分共有タイプや完全分離タイプより、土地の面積や建築費を抑えられるというメリットもあります。

家族それぞれの性格や価値観、暮らし方、生活の時間帯などを考えあわせた上で、三世代が十分に話し合い、最適なタイプと間取りの二世帯住宅への計画を立てることが大切です。

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