平屋と二階建てどっちがいい?地震・価格・暮らしやすさ
結婚や子育てに備えて家を建てる際、多くの人は無意識のうちに二階建てを思い浮かべるのではないでしょうか?平屋人気は高まってきてはいますが、現実的には二階建てを建てる人がほとんどです。その理由はどこにあるのでしょうか?
平屋と二階建てではどっちが地震に強く、暮らしやすい家になり、価格を抑えられるのでしょうか?
地震や台風などの自然災害は、いつ発生するかわかりません。平屋と二階建てではどっちが自然災害に強い家なのでしょうか?
地震
地震への備えを考えると、構造が安定しやすい平屋の方が圧倒的に有利です。ただ、木造2階建ての家が地震に弱いという訳ではありません。建築基準法には2階建て以下の木造住宅に対しては耐震等級に関してだけの規定しかありません。しかし、それだけでは完璧な地震への備えとは言えないのです。
2階建ての木造住宅であっても構造計算を基に設計建築された家は、確実な耐震性を備えられます。従って、平屋と2階建てを選ぶ際の項目として、地震への備えの為にという面から考える必要はありません。唯一考えるとしたら、家から外への脱出が必要になった場合には平屋の方が脱出しやすいということです。
台風
台風で強風が発生した場合、風による揺れから受ける負担は、屋根の形状による違いはありますが、高さのない平屋の方が抑えられます。傾斜が深い切り妻屋根や、縦に細長い形状というような2階建ては、風の横揺れに影響を受けやすい家です。
水害
大雨によって水害が出た場合には、平屋には逃げ場がなくなってしまいます。2階建ての家であっても水が出る恐れのある地域は避けるべきですが、平屋を建てる場合には、過去に水害があった地域は絶対に避けなくてはなりません。
参考サイト 静岡県公式HP ハザードマップで水害・土砂災害などの災害リスクを確認しましょう!
■ 平屋の家づくりで最も大切なポイントは土地選びです。どれくらいの広さが必要なのかは土地の形状、周辺の環境、建ぺい率など土地の持つ条件によって変わってきます。
平屋と二階建てどっちが暮らしやすい?
暮らしやすさの要素には、スムーズな動線、家族のコミュニケーションとプライバシー、室内環境が挙げられます。平屋と二階建てを比較すると、どちらがこれらの要素を満たしやすい家なのでしょうか?
スムーズな家事動線のある間取り
多くの人が平屋に感じる魅力の一つがスムーズな家事動線だと思います。特に洗濯物に関わる家事負担を考えると、階段のない平屋は洗濯から収納までがワンフロアで完結します。
また、子どもの入浴準備や、朝お弁当を作る合間に子どもを起こしに行くなどの手間の中から、階段での移動が省かれます。間取りによってはルンバ1台で掃除も完了します
2階建てで、1階に水回りがあり、2階のバルコニーに洗濯物を干す場合には、毎日複数回階段を昇り降りしなくてはなりません。子育て中には洗濯物の量も多いのでとても大変です。
ただ、2階建て住宅であっても1階の水回りとの回遊動線上にランドリールームを設ける、又は洗面所や勝手口の土間を広くとるなどの間取りにすることで、洗濯物に関わる家事負担を減らすことができます。
将来の変化への対応力
家は長く暮らす場所です。長く快適に暮らし続ける為には、家族のライフスタイルや家族構成の変化に対応しやすい家であることが大切です。家を建てる時は子どもがまだ幼く、家を建てたご夫婦も働き盛りというケースが多いと思いますが、やがて高齢になっていきます。
その時のことを考えると、階段のない平屋には、大きな安心感があります。家の中の出入り口に段差をつくらないなど新築時にしておくこともできますし、高齢になった時に手軽なリフォームでバリアフリー住宅にすることもできます。
一方、2階建ての家の場合、家を建てたご夫婦が高齢になり、階段の昇り降りがし難くなると、日当たりの良い子ども部屋など、2階の部屋が使えなくなってしまいます。そこで2階建てを建てる際には、高齢になった時の備えとして、手軽なリフォームでエレベーターを設置できるようにしておくことや、減築して平屋にできるようにしておくなどの備えも大切です。
隣家との距離が近い場合は、減築して平屋にすると、日当たりや風通しを得られなくなることもあるので、将来への備えは現在の周辺環境だけではなく、将来の周辺環境の変化にも十分配慮して計画しておくことが大切です。
家族のコミュニケーションとプライバシー
家族で暮らす家には、家族の愛情を育みやすい間取りと並行して家族それぞれのプライバシーが守れる間取りであることも必要です。間取りにもよりますが、一般的に平屋には、自然なコミュニケーションが生まれやすい、家族の気配が常に感じ取れ、子どもの行動を把握しやすいという面と、プライバシーが持ちにくいという面があります。
一方、二階建ては、間取りによってその2つの要素が大きく変わります。玄関からの動線がリビングに直結している、リビングは広く家族全員がゆったり過ごせるというような間取りでは、平屋と同じように家族の愛情が育まれやすい家が生まれます。しかも、2階の居室に行けば、プライバシーを確立することができます。
ただ、帰宅動線の造り方によっては、家族のコミュニケーションが自然に生まれにくい家になってしまうこともあります。そこで二階建てを計画する場合には、家族構成や家族の暮らし方、子どもへの教育方針などを考え併せた上で間取りを決めていく必要があります。
間取り次第で家族にあう間取りにするという面から考えると、2階建ての方が間取りの造り方に多彩な可能性があるとも言えます。
■ 構造計算と住宅を設計する際の基となる耐震性を割り出す計算のことです。木造住宅には義務付けられていませんが、住宅に耐震性を持たせる為には必要な計算です。住宅を新築する際に安全で快適な家を建てる為、構造の種類と構造計算について確認していきましょう。
室内環境・居住面積と価格の関係
平屋と二階建ての価格はどっちが安い?という疑問は必要な敷地面積が平屋の方が必要になるから、2階建ての方が安いということになるのではないでしょうか?確かに基礎や屋根が平屋は2階建ての2倍必要など、建築費が嵩むという面はあります。ただ、もっと大きく影響するのは土地の価格です。
居住面積を満たす敷地を購入する価格
家族全員が居心地よく暮らせる理想の居住面積として、住生活基本計画には2人以上の世帯25m2×世帯人数+25m2という誘導居住面積水準が示されています。4人家族であれば、125㎡です。
参考サイト 参考資料 誘導居住面積水準(住生活基本計画(平成23年3月15日閣議決定)より抜粋)
単純に考えて平屋であれば125㎡の家が建てられる敷地が必要です。もし建ぺい率50%なら250㎡の敷地を購入しなくてはなりません。一方、箱形の二階建て住宅ならば、単純に考えて62,5㎡の家を建てられる敷地です。建ぺい率50%なら125㎡の土地です。地域によって土地の価格は異なりますが、この差は非常に大きいです。
日当たりと風通しを得られる広さの敷地を購入する価格
日当たりや風通しに関しては2階建ての方が良い環境が生まれやすく、平屋には家の中心部に陽射しや風が採り入れ難い部屋が生まれてしまう可能性があります。二階建てであっても平屋であっても、隣家や通りとの位置関係、敷地の広さ、敷地周辺の環境は日当たりや風通し、プライバシー確保に大きな影響があります。そして平屋の場合、二階建てよりさらにその影響が大きいのです。
同じ建ぺい率であっても周辺に3階建ての家が多いという場合には、より広い敷地に建てないと日当たりと風通しの悪い平屋になってしまいます。例えば、敷地周辺には建物が少なく、緑豊かで開けているという恵まれた環境の土地であれば、建ぺい率ギリギリの面積に立つ平屋であっても良好な室内環境を得られるでしょう。
ただ、そのような恵まれた環境の土地を見つけられなかった場合、より広い敷地を購入することになるので、土地の価格が嵩み、家づくり全体の費用が大きくなっていきます。
平屋と二階建てで迷っている場合、家づくりの予算にもよりますが、利便性の高い土地に家を建てたいという場合には二階建て、周辺の環境を優先する場合には平屋という結論になるのではないでしょうか?平屋は平屋に適さない土地に建てると、日当たりと風通しが悪く、プライバシーを確保できない家になるリスクが大きいからです。
まず初めに平屋を建てられる土地探しを始め、その価格が家づくり費用のうちの25%から30%に収まりそうであれば、平屋計画を進める、土地の価格が半分以上になってしまうという場合には、二階建てというように考えてみると良いのではないでしょうか?
土地探しは家族だけでするより、建築を依頼する工務店といっしょに進めるという方法が、平屋に適した土地、二階建てに適した土地をみつけやすい方法です。平屋と二階建てどっち?と迷っている場合にはぜひご相談ください。予算に応じて土地探しからお手伝いさせていただきます。
■ 注文住宅での家づくりでは、理想を追うあまり、費用が嵩み過ぎると暮らし始めてからの生活が圧迫されてしまいます。何を目安に予算を立てていくべきでしょうか?
浜松で家族の暮らしに寄り添った自然素材の家を造る工務店
田畑工事は、「ご家族が生涯を通じて、健康・快適に暮らせる住まい」
という創業以来の想いを基に、家づくりをしています。
自然素材で建てられた家、一世代だけで終わる家ではなく、子や孫の代まで、心地よく暮らせる家、家族それぞれのライフスタイルに寄り添った家をお考えであれば、ぜひ田畑工事のモデルハウス見学や家づくり相談においでください。