平屋の家づくりで最も大切なポイントは土地選びです。どれくらいの広さが必要なのかは土地の形状、周辺の環境、建ぺい率など土地の持つ条件によって変わってきます。100坪の土地で建ぺい率が60パーセントなら60坪の平屋が建てられます。60坪の土地で建ぺい率が50パーセントなら30坪の平屋が建ちます。そして平屋には広さ以外の条件も必要です。
平屋の土地にはどれくらいの広さが必要?具体的には何坪?
真壁平家は住まいの理想型 周智郡O様邸 (30.06坪+ロフト4坪 ご家族4名様)
平屋は2階建ての家より得られる床面積が少なく、総2階建ての家に比べると約半分しか得られません。では、平屋で「家族構成にあった十分な居住面積を備える家」にする為には、どれくらいの広さが必要なのでしょうか?
4人家族で暮らす家の広さ
平屋、2階建てに関わらず、両親と子供2人が暮らす家にはどれくらいの広さが必要でしょうか?子育てに備える家づくりであっても、子どもはあっという間に成長していきます。その為、子どもが高校生、大学生になっても十分に家族4人が暮らせる家と考えて間取りを計画されるご家族が多いと思います。
ここで国土交通省が示している住生活基本計画における誘導基準面積を参考にしてみましょう。誘導基準面積とは、「世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現の前提として、多様なライフスタイルを想定した場合に必要と考えられる住宅の面積に関する水準」とされています。
具体的には、2人家族なら75㎡、3人家族なら100㎡、4人家族なら124㎡です。フラット35の利用者調査を参考にしても、2020年度の平均的な注文住宅の住宅面積は124,4㎡です。実際には都市部の住宅はもっと狭く、首都圏では123,9㎡ですが、東海圏では126,5㎡と幅があります。
参考資料 住生活基本計画における「水準」について
参考資料 2020年度 フラット35利用者調査
4人家族で暮らす家には60坪の土地が必要?平屋なら?
平均的な居住面積を124㎡として考えた場合、124㎡を住宅に使う為には、50パーセントの建ぺい率なら248㎡、60パーセントの建ぺい率なら198,4㎡の土地が必要です。248㎡は数に換算するとおよそ75坪、198,4㎡はおよそ60坪です。従って、4人家族が暮らせる平屋を建てる場合には、最小でも60坪程度の土地の広さが必要です。次に考えたいことは、隣家や道路と距離です。
■ 平屋での家づくりを検討されているご家族の中には、平屋の暮らしに対する不安や疑問があるのではないでしょうか?そんな中で、ロフトはどうしようかな…?と迷われることもあると思います。
コラム 平家に設けるロフトの考え方
平屋を建てる土地に必要な条件は敷地周辺の環境
支えあって楽しく仲良く 磐田市 S様邸 (平屋39.08坪ロフト7.5坪二世帯住宅)
建ぺい率や容積率は、住宅の建築面積に関する基準です。建ぺい率や容積率が高いほど、同じ敷地であっても、大きな家が建てられます。つまり、敷居に対して住宅の占める面積が広くなるということです。都市部や駅の近くなど、利便性の良い土地では、建ぺい率が高い傾向にあります。
建ぺい率・容積率が高いほど、広い家、2階建て以上の家を建てられる可能性が大きくなります。従って、背の高い住宅が多く、隣家や道路との距離が近いという敷地環境になりやすいという状況が生まれます。
一方、都市部ではあっても、「第一種低層住居専用地域」として定められている高級住宅街の多い地域では、30パーセント~60パーセントに建ぺい率が都市計画で指定されています。このような地域では、2階建てまでの家しか建てられず、敷地に対する建築面積も制限されます。
その結果、隣家や道路の間に十分な距離がある、3階建て住宅に陽射しを遮られるなどの心配がないという敷地環境が生まれます。ただし建ぺい率が40パーセント以下であれば、かなり広い土地を購入しなければ、家族4人が住める平屋は実現できません。
一方、同じ面積で同じ建ぺい率の土地であっても、周辺には畑や自然の多い地域と、2階建て住宅の多い地域では、平屋が受ける周辺環境からの影響は大きく変わります。平屋の場合、暮らしやすさを損なう原因となる要素のほとんどは、敷地周辺の環境によるものだからです。
健康的で省エネな暮らしを営む為には、自然の恵みが必要不可欠です。しかし、平屋の場合、敷地周辺の環境によっては、自然の恵みである陽射しの明るさ暖かさや、地域を吹き抜ける風を採り入れにくい家になる恐れがあります。
平屋を建てる土地を探す場合には、土地の面積だけではなく、建ぺい率と周辺の環境に配慮して土地探しを進めることが暮らしやすい平屋に繋がります。
■ 家を建てる予定の敷地の面積、家族の考え方、家づくりにかける予算などの条件もありますが、どのようなことを基本に考えれば、暮らしやすい二世帯住宅を実現できるのでしょうか?
コラム 二世帯住宅は平屋にする?それとも二階建て?
平屋を建てる100坪以下の土地の条件
真壁平家は住まいの理想型 周智郡O様邸 (30.06坪+ロフト4坪 ご家族4名様)
建ぺい率や敷地周辺の環境に関わらず、100坪以上の土地があれば、家族4人が快適に暮らせる平屋が実現する可能性は非常に高いです。しかし、60坪前後の広さの土地に124㎡の床面積を持つ平屋を建てる為には、様々な問題をクリアする必要があります。
平屋は日当たりと風通しが悪くなりやすい
周辺の環境によっては、陽射しと風を採り入れられない家になってしまいます。昼下でも薄暗く、換気の悪い家です。平屋をそのような家にしないためには、勾配天井を利用して高い位置の窓や天窓を設けるなどが対策の一つとして考えられます。高い窓からの陽射しが家の中心部まで届き、低い位置の窓からは高い位置の窓へと風が通り抜けていき、室内の熱も排出されます。
また、敷地の形状によってはコの字型やロの字型にして中庭を設けるという方法もあります。中庭があると、全ての居室の窓を庭に向けられるので、陽射しと風を採り入れられます。ただ、60坪で中庭を設けると、駐車スペースを敷地内に確保できなくなってしまいます。
平屋はプライバシーの確保が難しい
隣家との距離や道路との位置関係によっては、外部から家の中への視線が入りやすくなり、プライバシーが確保できない平屋になる恐れがあります。しかし、プライバシーを確保することを優先し、窓の少ない家にしてしまうと、庭との融合性が高いという平屋の良さが損なわれてしまいます。
平屋には、全ての居室に庭の景観を採り入れられる、庭に出やすいという良さがあり、それが庭との融合性を高めています。プライバシーが確保しにくい敷地の周辺環境である場合には、いくつかの対策が考えられます。
ひとつは日当たり風通し対策にも役立つ中庭です。中庭を造りにくい敷地の形状である場合には、袖壁を活用した設計にするという方法もあります。また、L字型の住宅にして目隠しになるようなエクステリアと組み合わせる、植栽を設けるなど、外構での対策も役立ちます。
庭と駐車スペースの両方は確保できない
60坪前後の平屋を建てる場合、敷地内に駐車スペースを設けると庭のない家になる、庭を造ると駐車スペースが確保できないという状態になってしまいます。敷地に余裕があれば、ゆったりした玄関アプローチや室内に彩りを添える景観の良い庭、駐輪・駐車スペースが設けられます。
将来の変化に左右される
土地を探している段階では、隣家は空き地になっている、周辺には畑や空き地が多いという状況であっても、数年後には隣に2階建て住宅が建つことがあります。また、畑や空き地だった場所に分譲住宅がまとめて建設されることもあるでしょう。そうなった時に、日当たりや風通しが悪くなる、プライバシーが確保できなくなるなどの問題が発生してしまうかもしれません。
平屋を建てる場合、基本的に水が出ない地域ということは、チェックされると思いますが、それに加えて、将来の変化についても確認しておくことが大切です。候補に挙がっている土地が属している用途地域、自治体が計画している今後の開発計画などは必ずチェックしておきましょう。
参考サイト 浜松市 都市計画マップ
参考サイト 浜松市 都市計画について
このコラム中でご紹介した施工事例はどちらも平屋の問題点を克服した明るく風通しの良い暮らしやすい平屋です。土地周辺の環境や土地の形状など土地の持つ条件と、家族構成、ご家族のライフスタイルに合わせて、最適なプランを作成することが暮らしやすい平屋の実現に繋がります。平屋は土地によって暮らしやすさが決まるという側面が大きいので、土地探しは、施工を依頼する工務店といっしょに進めると有利です。浜松で平屋を計画される際にはぜひご相談ください。
■ 平屋を建てられる敷地の広さや、敷地周辺の環境の土地を、予算内で見つけられず、2階建てにしたご家族もあるのではないでしょうか?その為、土地の価格が高額な地域ほど、平屋の数が少ないという現実があります。それでは、予算内で平屋を建てる方法はないのでしょうか?
コラム 平屋は注文住宅で建てる?規格住宅で建てる?雨楽な家ならどちらも叶う平屋の家づくり
浜松で家族の暮らしに寄り添った自然素材の家を造る工務店
田畑工事は、「ご家族が生涯を通じて、健康・快適に暮らせる住まい」
という創業以来の想いを基に、家づくりをしています。
自然素材で建てられた家、一世代だけで終わる家ではなく、子や孫の代まで、心地よく暮らせる家、家族それぞれのライフスタイルに寄り添った家をお考えであれば、ぜひ田畑工事のモデルハウス見学や家づくり相談においでください。