注文住宅での家づくりでは、外観や内装のデザイン、間取り、住宅性能など、住宅そのものに対するプランと、土地探しを並行して進めていかなくてはなりません。そして、土地の探し方によって、建てられる家の可能性も、住宅ローンの組み方も変わってきます。どちらも、後から失敗した!と気づいても、取り返しのつかない一生を左右する大きな問題です。
せっかく建てた家が、家自体は洗練された外観デザイン、居心地のよい内装、暮らしやすい動線を備えた間取り、高い住宅性能を備えていたとしても、周辺の環境によって、暮らしにくい家になってしまった…というようなことや、住宅ローンの仕組みをよく理解していなかった為に、スムーズに土地が購入できなかったということになってはなりません。
暮らし始めてからは、子育て期から高齢になるまで、安心してゆとりのある暮らしが維持できる「家族の理想の家」を実現する為に、家づくりと土地探しや住宅ローンの組み方の関係について考えていきましょう。
注文住宅は土地探しによって建てられる家の可能性が変わる
庭の四季を楽しみながら快適なワンフロアの暮らしができる家 浜松市浜北区 S様邸
土地探しは、「家族の暮らし方にあった利便性を備えた土地」ということを基本に進めていくことと思います。通勤や通学、買い物、病院、市役所、図書館などが、徒歩、または自転車で行ける範囲にあること、治安が良いこと、緑の多い環境であることなどは、ほとんどのご家族が求める理想の土地ではないでしょうか?
ただ、敷地の形状、隣家や道路との位置関係によっては、家族の暮らし方にあった利便性を備えた土地であっても、暮らしやすい家が実現できないことがあります。日当たりや風通し、プライバシーを確保できない家になってしまう恐れがあるからです。
家の中に日中も薄暗い部屋がある、風が通らず家全体の換気が悪い、隣家や通りからの視線が気になって、窓のシャッターを下ろしたままにしている…というような暮らしになってしまうかもしれせん。特に、平屋での家づくりを計画している場合、注意が必要です。どんなに設計上の工夫をしても、敷地周辺の環境によっては、快適な室内環境を備えた家を実現できないことがあります。
一方、多くの人がこの土地は難しいだろう…と考える旗竿地や、ウナギの寝床のような間口が狭く奥行きの長い土地、三角形や平行四辺形のような土地は、意外に活用できることもあります。しかも、一般的な整形地より、抑えた価格で土地を購入できる可能性があります。土地の価格を抑えられれば、建築費に余裕が出ます。住宅ローンの額も抑えられるかもしれません。ただ、どのようなケースにおいても、「土地の持つ条件が家づくりに与える影響」については、家族だけでは判断が難しい問題です。
しかし、専門家であれば、その土地の持つ可能性、または可能性のなさを見極めることができます。この観点から考えた時、家づくりの手順として、まず初めに施工を依頼する工務店を探し、その上で工務店といっしょに土地探しをするという方法が、最も理想の家を実現することに繋がります。
注文住宅は土地探しの方法によって住宅ローンの組み方が変わる
瓦屋根が美しい二世帯住宅 磐田市 S様邸
注文住宅は、土地の購入と、建築費を分けて支払わなくてはならない為、住宅ローンの手続きが複雑です。その手間を避ける為に、分譲住宅を購入される方もいらっしゃるのではないでしょうか?分譲住宅は、デザインや間取りに自由度がなく、家族の暮らし方や好みを反映させられません。しかし、その分、住宅ローンは一本化できるので、非常に楽です。
ただし、手続きが複雑化しやすい注文住宅であっても、土地と建物の住宅ローンを、一本化できる方法があります。まず初めに、注文住宅の住宅ローンの組み方を確認しておきましょう。
つなぎ融資
住宅ローンは、住宅の引き渡し後に融資が実行されます。その為、それまでに必要な資金は、つなぎ融資を利用するという方法が一般的です。
注文住宅を建てる場合、一般的に3~4回に分けて建築費を支払います。請負契約締結時に手付金、着工時に着工金、建物上棟時に中間金、そして引き渡し時に残額を支払います。支払額の目安としては、手付金が10パーセント、残りはそれぞれ30%です。
住宅ローンの融資に通っていても、融資が実行されるのは、住宅が完成し、引き渡しが完了した後です。その為、始めの3回の建築費の支払いは、つなぎ融資を受けて支払うケースがほとんどです。また、土地の購入費が必要な資金も、つなぎ融資で賄えます。住宅ローンが実行されるまでの期間は、つなぎ融資で発生する利息を支払い、住宅ローンの融資を受けた時点で、つなぎ融資をすべて返済します。
つなぎ融資には、住宅のプランが進んでいなくても、気に入った土地が見つかった時点で融資を申し込めるという良さがあります。その為、つなぎ融資を利用する予定であれば、あらかじめ施工先を決めていなくても、住宅ローンの組み方に関しては、影響がありません。
つなぎ融資は、住宅ローンとは個別に手続きを進めなくてはならないので、住宅ローンとは別に、つなぎ融資用の事務手数料と、収入印紙代の支払いが発生します。加えて、住宅ローンに比べて、金利を高く設定している金融機関が多いです。一般的に住宅ローンの金利は1%前後ですが、つなぎ融資は、2~4%です。衣服や食料品を購入するような金額とは桁が違うので、この差は大きいです。
土地先行融資(分割融資)
土地先行融資は、金融機関によっては、取り扱いがない場合もありますが、土地の購入に対して受ける融資です。手持ちの資金では土地が購入できないという場合に利用します。住宅と土地を同時に審査し、審査に通ると土地購入に必要な資金が先行して融資されるため、住宅ローンを一本化することができます。その為、つなぎ融資とは違い、住宅ローンと同じ金利で融資をする金融機関が多いです。ただし、土地と建物の抵当権設定費用が個別で必要である他、分割実行の手数料や登記費用は、つなぎ融資より高額になる傾向があります。
そして、この方法を実行する為には、スピードが求められます。建築を依頼する施工先が決まっていないと、スムーズに手続きを進められません。融資の審査を受ける為には、建築予定の土地の情報と、施工先が作成した建築プランと見積書を提出しなくてはならないからです。この観点から考えると、工務店といっしょにする土地探しが有利です。
加えて、住宅ローンの返済時期が、住宅ローンの返済時期より早くなるという特徴もあります。住宅ローンの返済は、家が完成し、引き渡し完了後に始まりますが、分割融資の場合は、土地購入の融資を受けたタイミングで始まることが多いです。利率も返済開始日も、金融機関によって異なり、取り扱いのない金融機関もあります。分割融資を利用する予定の場合は、あらかじめ、分割融資を取り扱っている金融機関を探し、それらの金融機関の中から、自分たちが最も返済しやすいプランを提供している金融機関を見つけておくことも大切です。
土地探しの方法によって家づくりの結果が変わる
家族のふれあいを大切にした家 袋井市T様邸
敷地周辺の景観や治安の良さ、利便性によって暮らしやすさが変わります。敷地周辺の環境によって室内環境が変わります。土地の形状によって間取りが変わります。住宅購入に関わる手数料や税金、住宅ローンの金利、住宅ローン控除などによって、暮らし始めてからの家庭の経済が変わります。
家づくりは、デザインや間取り、住宅性能など、決めなくてはならないことがたくさんありますが、その土台となるのは、家を建てる土地と、数十年かけて返済していく住宅ローンです。家づくりに使える手持ちの資金と考え併せ、住宅ローンの組み方と、最も良い土地探しの方法を選んで、理想の家づくりをスタートさせましょう。
浜松で家族の暮らしに寄り添った自然素材の家を造る工務店
田畑工事は、「ご家族が生涯を通じて、健康・快適に暮らせる住まい」
という創業以来の想いを基に、家づくりをしています。
自然素材で建てられた家、一世代だけで終わる家ではなく、子や孫の代まで、心地よく暮らせる家、家族それぞれのライフスタイルに寄り添った家をお考えであれば、ぜひ田畑工事のモデルハウス見学や家づくり相談においでください。