木の家での家づくりは、建築する工務店によって住宅のデザインや間取り、住宅性能が変わりますが、木の家が持つ良さは変わりません。木の家は、無垢材以外の自然素材とも相性が良く、きれいな環境がつくりやすい家です。
それと同時に木の美しさ、風合い、温もりを楽しめる家でもあります。木の家の持つ魅力は暮らしにどのように影響するのでしょうか?
無垢材の魅力
大きな軒とどこか懐かしい広い土間のある家 浜松市北区N様邸
日本では昔から木の家が好まれてきました。木の家では、木の持つ調湿性が多湿になりやすい気候を補い、室内環境の調整に役立ちました。また、四季のある日本において、木の持つ季節の温度変化による影響を受けにくい性質も暮らしやすさに繋がっていたのではないでしょうか?
木の家に使われる木材は無垢材です。無垢材は、森林から切り出した木を製材しただけの自然素材です。その為、同じ一本の樹木から伐り出した木であっても、乾燥の度合いが均等ではなく、色や模様も部分によって異なります。
一方、住宅に使われる木材には、集成材もあります。集成材は伐り出した木を細かくカットした後、接着剤を使って張り合わせる木材です。その工程によって、どの部分をとっても均等な乾燥状態になるので、非常に扱いやすい木材です。
では、扱いが難しいにも関わらず多くの人が無垢材に魅かれる理由はどこにあるのでしょうか?
色と質感の美しさ
無垢材には自然のままの風合いがあり、それは人工的に作りだされた美しさとは異なる味わいです。人工的に作りだされた素材の多くは、経年劣化で褪色したり、脆くなったりしますが、無垢材には経年によるマイナスの変化がおきません。
紫外線を浴びると褪色するのではなく色合いが変化していきます。もともと明るい色合いの樹種は深い色合いに、濃い色合いだった樹種は明るい色合いへと変化していきます。この変化が家族の歴史と共に、味わい深さを生み出します。
空気環境を良くする性質
無垢材には目に見えない無数の穴があり、その穴から空気中の水分を吸収したり、蓄積している水分を放出したりする性質があります。梅雨時から夏にかけての高温多湿な季節には、空気中の水分を吸収して、室内の空気をサラッとさせます。冬の乾燥する季節には、蓄積した水分を空気中に放出して、室内に潤いを与えます。
室内は高湿になると、カビが発生しやすくなります。カビが発生すると、カビを好むダニが繁殖する恐れがあります。そのような状況になると、家族がアレルギーを発症するリスクが高くなってしまいます。特に子育て中には、カビの胞子やダニの死骸などが空気中に存在しないきれいな空気環境にしておくことが、子どもの健康に貢献します。
集成材には、接着剤が使われているので、水分を出入りさせる穴が塞がれてしまっています。その為、無垢材の持つ調湿性がありません。加えて、接着剤が使われていないということは、無垢材には空気中に有害な物質を揮発させる恐れがないということにも繋がります。
近年は建材に使われる接着剤などに含まれる有害な物質に対する規制基準が厳しくなっている為、集成材=危険という訳ではありません。ただ、基準の規制内であっても、100%有害物質を揮発させない建材だけではないので、建材選びには注意が必要です。
心地良い触感
木には熱を伝えにくいという性質と、熱を蓄えるという性質があります。この2つの性質によって木の表面は外部の温度によって急激には変化することがありません。冬に壁を触ってもヒヤッとせず、日が落ちてからも温もりが残ります。夏は直射日光を浴びても、触れないほど熱くなったりしません。また、木の調湿性によって、夏は裸足で歩いてもペタペタせずサラッとした心地よい感触が得られます。
また木には弾力性があり、跳ね返ってくるような硬さがありません。その為、小さな子供が転んでしまった時に、深刻な事故になりにくいという良さがあります。大人や高齢者にとっては、日常生活での行動が足腰にかける負担が軽減される良さがあります。
→関連記事 同じ木造の家の中にも、工法の違いによって、木造の家ならではの良さの活かされ方が変わります。木造住宅の中には、主に4つの工法があり、工法の違いによって、間取りの自由度や、耐震性、家づくりにかかる費用が変わります。木造住宅での家づくりを進めていく上で、それぞれの工法の木造の家が持つ特性について考えていきましょう。
コラム 木造の家の種類とそれぞれの特徴
木の家と自然素材の相性
庭の四季を楽しみながら快適なワンフロアの暮らしができる家 浜松市浜北区 S様邸
木の持つ様々な性質は、自然素材と共通する部分が多くあり、組み合わせて使うことで上質な木の家を生み出します。
塗り壁に使われる漆喰や珪藻土
木の家の壁には無垢材が使われることもありますが、相性の良い漆喰や珪藻土が使われることもあります。漆喰は、石灰と藁などの繊維を混ぜ合わせて作られる塗り壁材、珪藻土は海や湖に土層から採れる塗り壁材です。
どちらも調湿性を備えていますが、珪藻土は特に高い調湿性を備えています。また、どちらも木材との相性が良く、漆喰や珪藻土の壁や天井には、無垢材の梁や柱が映えます。
和紙
ふすまや障子は、和紙と無垢材の組み合わせです。襖には美術品のような美しさがあり、障子には、光の印影で室内に趣を創りだします。また、和紙には保温性、無垢材には蓄熱性と断熱性があり、両方に共通して調湿性があるので、室温の調整に役立ちます。
参考サイト 和紙の博物館 和紙の特徴
畳
い草を編んで作る床材です。日本の住宅には必ずと言ってよいほど使われていや床材です。一時期、畳の部屋のない住宅が増えたこともありましたが、現在ではほとんどの家に畳の部屋が採用されています。
畳と引き戸の組み合わせは、部屋の用途に対して柔軟性を生み出すので、子育て中には重宝します。加えて、客間をつくらない間取りでは、引き戸を閉じて畳の部屋を独立させたり、引き戸を開放してリビングの延長として使ったりというような柔軟な使い方ができます。
豆砂利洗い出し
土間に使われる豆砂利洗い出しは、豆砂利とモルタルを混ぜて作る床材です。無垢材の壁とも、無垢材の梁や柱が見える塗り壁ともよく調和します。
→関連記事 自全素材には清々しい清潔感があり、子供のアレルギーへの心配事を一つ減らすことができるなどたくさんのメリットがあります。その一方、汚れや傷がつきやすそう、価格が高そうなどデメリットへの不安もあると思います。自然素材の特性を知って後悔しない家を建てましょう。
コラム 自然素材の家のメリットとデメリット よくある失敗とは?
木の家に使われる木の種類
通り土間のある楽しい暮らし 湖西市O様邸
木の家には構造部にも内装にも木が使われますが、構造部に使われる木と内装に使われる木には、異なる性質が求められます。
構造部に使われる木材の特徴
構造部とは柱や梁など家の骨組みとなる非常に重要な部分です。その為、土台と柱には、シロアリと木材腐朽菌に対して強い耐性を持った国産の桧の芯持ち材が使われます。芯持ち材とは木の中心に近い赤味の部分を指します。この部分には、水分が少なく自ら腐朽菌を出さないので優れた耐久性を持っています。梁に使う木材には杉や松、軒先には杉というように、部分ごとに最適な木材が選ばれます。
加えて、梁や柱を見せる真壁仕上げでは、無垢材の美しさが室内に高級感のある落ち着いた分に気を生み出します。国産桧は、耐久性だけではなく、視覚的な美しさという面からも優れた木材です。
参考サイト 一般財団法人 住宅金融普及協会 住まいの中の腐朽菌
内装に使われる木材の特徴
内装の床材には、部屋の用途によって異なった種類の木材が使われます。
リビング 見栄えの良い天竜桧や松の無垢材
水廻り 傷がつきにくく耐水性の高いメープルやタモの無垢材
寝室 調湿効果によって長時間過ごしても快適に過ごせる桐の無垢材
収納 除菌消臭効果のある桐の無垢材
→関連記事 梁見せ天井に魅力を感じて木の家での家づくりを進めたいと思う人が増えています。梁を見せる天井の良さ、注意点、費用について考えていきましょう。
コラム 梁を見せる天井の魅力と注意点
木の家には、温もりのある手触り、きれいな空気環境、木の色合いや風合いの懐かしさを感じる美しさなどの良さが詰まっています。こだわりのある木の家、家族の理想の家の実現を、ぜひ私たちにお手伝いさせてください。
浜松で家族の暮らしに寄り添った自然素材の家を造る工務店
田畑工事は、「ご家族が生涯を通じて、健康・快適に暮らせる住まい」
という創業以来の想いを基に、家づくりをしています。
自然素材で建てられた家、一世代だけで終わる家ではなく、子や孫の代まで、心地よく暮らせる家、家族それぞれのライフスタイルに寄り添った家をお考えであれば、ぜひ田畑工事のモデルハウス見学や家づくり相談においでください。