自然素材の家での家づくりを計画される方は多いのではないでしょうか?自全素材には清々しい清潔感があり、子供のアレルギーへの心配事を一つ減らすことができるなどたくさんのメリットがあります。
その一方、汚れや傷がつきやすそう、価格が高そうなどデメリットへの不安もあると思います。自然素材の特性を知って後悔しない家を建てましょう。
自然素材の家のメリット
家づくりに使われる自然素材には、無垢材の他に、珪藻土や漆喰の塗り壁、畳、瓦、和紙などが挙げられます。これらの自然素材は、それぞれ優れた特性を備えていますが、共通する特徴もあります。
■ 家づくりに使われる自然素材には、様々な種類があります。それぞれの特徴を確認していきましょう。
コラム 自然素材の家はどんな家?
自然素材に共通する特徴
瓦屋根が美しい二世帯住宅 磐田市 S様邸
日本の住宅には、昔から自然素材が使われてきました。森林が多く木材が豊富だった、川の水がきれいで優れた和紙が生産できたなどの事情もありますが、家の中の環境を調える働きがあることに着目した昔の人の知恵でもあります。
調湿性
湿度の高い日本において、自然素材が愛されてきた理由の一つは調湿性です。住宅に使われる自然素材のほとんどが、調湿性を備えています。調湿性とは、空気中の水蒸気が増えてくると吸収し、少なくなってくると放出する性質です。この性質によって、自然素材の家では、ジメジメしたり、乾燥しすぎたりすることなく常に最適な湿度が維持されます。
夏、畳に寝転んだり、フローリングの上を裸足で歩いたりしたときにサラッとした心地よい感触が楽しめる理由は、畳やフローリングに調湿性があるからです。また、湿度が上がりやすい土間がジメジメしない理由は、珪藻土の塗り壁が湿度を吸収するからです。そして、湿度が高すぎたり低すぎたりすると健康に悪影響が及びます。
参考サイト 湿度◯◯%で健康への影響に注意!加湿器を使う目安は?
蓄熱性
自然素材には熱を蓄える性質がある為、表面温度の変化がゆるやかです。冬には床や壁を触ってもヒヤッとせず、夏にはウッドデッキが歩けないほど熱くなりません。冬に冷たい壁や床のある部屋は、体感温度が下がります。せっかくエアコンで室内が暖められていても、暖かく感じられません。
弾力性
木材や畳などの床に使われる自然素材は、内部に多くの空気を含んでいます。その為、硬さがなく小さな子供や高齢者が転んだり、躓いたりしてしまった時の衝撃が抑えられます。また、家族全員にとって、日常生活の動作が足腰に与える負担が軽減されます。キッチンでの作業が長くなってしまう時にも、ありがたい特性です。
化学物質が空気中に揮発されない
自然素材には、シックハウス症候群を引き起こす恐れのある化学物質が含まれていません。建築基準法で、身体に悪影響を及ぼす恐れのある化学物質が使われている建材の使用は規制されています。しかし、残念ながら現状では化学物質が皆無という建材ばかりではありません。
その結果、子どもがアレルギーを起こしてしまったり、嫌なニオイを感じて気分が悪くなってしまったりというようなことが起こってしまうことがあります。自然素材の家には、そのような心配がありません。
参考サイト 増加するアレルギー症状の子どもたち
美しさ
自然素材には人工的な素材にはない、落ち着いた美しさがあります。和紙の障子や襖、畳は、張り替える度に清々しく蘇り、新年を気持ちよく迎えさせてくれます。塗り壁は経年退色することがなく、いつまでも新築時の清潔感が維持されます。
また、家全体の雰囲気に合わせて、模様をつけるなど、様々に意匠を凝らすことができます。樹種によってさまざまな色や質感を持つ無垢材は構造美を際立たせます。そして、時を重ねる度に紫外線を吸収して、色や質感が変化していき味わい深さが出てきます。
■ 無垢材の美しさを活かす梁を見せる天井の良さ、注意点、費用について考えていきましょう。
コラム 梁を見せる天井の魅力と注意点
自然素材の家のデメリット
家事と子育てを一緒に楽しむ家 掛川市 K様邸
メリットの多い自然素材ですが、知っておかなくてはならないデメリットもあります。
汚れや傷がつきやすい
近年、汚れにくく汚れがついても落としやすいという便利な床材やクロスが出回っています。家事の効率化を考えると、非常に便利な素材です。一方、自然素材には、汚れが付きやすい、さっとひと拭きするだけでは汚れが取れないというデメリットがあります。
無垢材は、定期的にワックスがけや塗装などの手入れをしないと、汚れにくい状態を維持できませんまた、樹種にもよりますが、傷がつきやすいというデメリットもあります。塗り壁は拭き掃除ができないので、汚れがついてしまった場合には、塗り直しをしなくてはなりません。
定期的に替えなくてはならない自然素材もある
自然素材の中でも、無垢材や塗り壁、瓦は、適切なメンテナンスを続けていれば半永久的に使えます。一方、和紙を使った障子や襖、畳は、定期的に張替えが必要です。室内の環境にもよりますが、障子は3~4年、襖は約10年、畳は4~5年で表替え、裏返しは2~3年、交換は10~15年が目安とされています。
音鳴りがする
無垢材は家を建ててからも空気を出し入れしているので、伸縮を繰り返します。その為、床を踏むと音がしたり、数年でしなくなりますが、夜中に驚くほど大きな音を出したりします。
建築費が嵩む
工業製品には、安価な製品から高価な製品まで幅広い価格帯があります。もちろん自然素材にも価格の幅はありますが、工業製品に比べるとその幅は小さいです。その為、樹種の選び方によっては、建築費が嵩んでしまうことがあります。
参考サイト 木材の性質および価格帯チャート
■ 季節の変化に応じた適切な室温と湿度は、室内環境を調え、快適な暮らしを与えてくれます。適切な室温と湿度が保たれ、空気がきれいな室内環境は、私たちの健康維持に役立ちます。そして、この室内環境の調整には、自然素材とパッシブデザインが、大きな助けになります。
コラム 自然素材とパッシブデザインの組み合わせが実現する上質な暮らし
自然素材の家によくある失敗と回避する方法
土地形状を上手に活かす、家づくり 浜松市中区 M様邸
自然素材の家によくある失敗とは、自然素材の家のデメリットを家づくりの開始前に十分理解していなかった為におこります。具体的にはどのようなことが起こるのでしょうか?
自然素材の家によくある失敗とは?
自然素材の家が完成し、暮らし始めてから失敗したと感じることには、具体的にどのようなことがあるのでしょうか?
メンテナンスや張替え
家が完成し、暮らし始めると月々の住宅ローンが始まります。それに加えてメンテナンスや張替えの費用は数年ごとに発生するとは予想していなかった…という失敗があります。ただ、クロスやクッションフロアであっても、張替え時期は必要です。自然素材以外の素材を使った場合の張替え時期やかかる費用をあらかじめ比較検討しておくと、張替えの時期になって失敗したと感じる心配はありません。
日常的な掃除のしやすさ
フローリングや畳は、特別に掃除が大変という訳ではありません。ただ、毎日掃除をしなくても汚れないという訳にはいきません。日々の掃除がまめにできないと、水回りのフローリングに黒カビが生えてしまうことがあります。子どもがジュースをこぼしてしまった時などに、洗剤でごしごし拭くと、表面の色が変色してしまうこともあります。
参考サイト 無垢フローリングのお手入れってどうすればいいの?
建築費が嵩む
樹種の中には、非常に高価な樹種から比較的低額な樹種まであります。色や質感の好みだけで高級な樹種を選ぶと、建築費はどんどん嵩んでいきます。
よくある失敗を回避する方法
家づくりに使われる自然素材の特徴を十分に理解すること、そして自然素材について十分な説明をした上で家づくり計画を進める工務店選びが大切です。家は完成がゴールではありません。特に自然素材の家は、暮らしながら育てていく、変化を楽しんでいく家です。その為、家の完成後もお付き合いができる工務店との出会いが、自然素材の家の暮らしやすさの維持に繋がります。
■ 戸建ての住宅と言えば、木造住宅が思い浮かぶほど、昔から、山が多い日本では、森林資源が豊富で、昔から木材が住宅の建材として使われてきました。家づくりを計画する際に、木のことを知り、より良い家づくり計画のヒントにしていただけたら…と思います。
コラム 木の家を建てる浜松の工務店
浜松で家族の暮らしに寄り添った自然素材の家を造る工務店
田畑工事は、「ご家族が生涯を通じて、健康・快適に暮らせる住まい」
という創業以来の想いを基に、家づくりをしています。
自然素材で建てられた家、一世代だけで終わる家ではなく、子や孫の代まで、心地よく暮らせる家、家族それぞれのライフスタイルに寄り添った家をお考えであれば、ぜひ田畑工事のモデルハウス見学や家づくり相談においでください。