真壁と大壁の違いは?施工事例とメリット・デメリットを紹介
「真壁」と「大壁」とは、木造住宅の構造体の納め方のことです。現在、多くのハウスメーカーや工務店は大壁を採用しているため、真壁の存在を知らずにマイホームを建築している方もいるでしょう。しかし、真壁は大壁にないさまざまな魅力やメリットを持ち合わせています。せっかく注文住宅を建てるなら、真壁・大壁どちらのメリット・デメリットを理解した上で、自分に合った方を選んでみてはいかがでしょうか。
今回は、真壁と大壁のメリット・デメリットを解説し、施工事例を紹介します。それぞれにおすすめなタイプも紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
目次
真壁とは?
真壁とは柱や梁などの構造材を見せる仕上げ方法です。日本の伝統建築や本格和室は真壁が採用されることが多いです。伝統的な旅館などの趣がある建物にも、真壁が取り入れられていることが多いでしょう。
真壁のメリット
真壁のメリットを紹介します。
- ・木が見える面積が多いため木造住宅の良さを感じやすい
- ・高級感のある和室を作りやすい
- ・落ち着きや温かみのある雰囲気になる
- ・漆喰などの自然素材との相性が良い
- ・洋室に採用するとナチュラルな雰囲気に仕上がる
- ・大壁と比べて部屋全体が少しだけ広くなる
真壁の最大のメリットは、木の魅力を取り入れた家づくりができることです。デザイン面では、落ち着いた雰囲気に仕上げることができます。もちろん高級感のある和室を作るのにも向いていますが、ナチュラルな優しい雰囲気の洋室にもマッチします。
また、真壁を採用することで木の持つ性能を最大限に活かせる点も魅力的です。
真壁は木材が室内に露出しているため香りなどを楽しむことができ、リラックス効果や集中力が期待できるでしょう。漆喰の壁などとも相性が良く、自然素材が持つ調湿効果のメリットをより感じることができるはずです。
真壁のデメリット
真壁のデメリットを紹介します。
- ・構造体の見た目が悪いとデザイン性が落ちる
- ・空間に圧迫感が出ることがある
- ・施工に手間がかかるため費用が高い
- ・施工できる住宅会社が限られる
- ・大壁と比べて耐震性や断熱性が劣ることがある
真壁は、柱や梁などの構造体が室内から見えるため、木の質によってはデザイン性が落ちることがあります。色味が異なったり節が多かったりする構造材でも、味として楽しめる方に向いているでしょう。また、真壁は構造材が見えることによって、真っ白な大壁の部屋よりも圧迫感を感じることがあります。実際には、大壁よりも真壁の方が有効面積は広いですが、狭く見えることもあるかもしれません。
また、真壁は大壁よりも複雑な施工なので、工期も費用も掛かるケースがあります。真壁仕様を施工できる腕の良い職人は限られるため、住宅会社選びも難しいという点もデメリットです。真壁を採用する場合は、施工事例を見たり見学会に参加したりして、施工や構造体の美しさを確認することをおすすめします。
真壁は、断熱性や耐震性が大壁に劣ることがある点もデメリットです。なぜなら、構造体の外側に壁を貼る大壁と比べて、真壁は断熱材を重鎮するスペースが少なくなってしまうからです。
こちらは大壁の建築例ですが、柱の厚みいっぱいまで断熱材が施工できています。真壁の場合は、ここまでの厚みの断熱材は施工できません。ただし、断熱材の厚みが多少薄くても、必ずしも断熱性能が落ちるわけではないです。断熱材の種類や密度にこだわることで、断熱性の高い家を建てることはできます。隙間なく断熱材を施工することも大切なポイントです。真壁を採用する際は、断熱材の質にこだわっている住宅会社かどうか確認してみてくださいね。
耐震性に関しては、真壁は面材の耐力壁を使用できないケースもあります。そのため、大壁と比べて耐震性が落ちることも。しかし、真壁でも建物の外周側に耐力壁を施工することは可能です。
田畑工事では、工場にて断熱材はめ込んだ質の高い耐力パネルを、建物外周面に施工しています。
耐震性を強化しつつ、隙間なく質の高い断熱材を施工することが可能です。耐震性・断熱性について詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせくださいね。
【真壁仕様】施工実例を紹介
真壁の施工実例を紹介します。
・木の温かみが広がる真壁のLDK
・格式のある真壁和室
建築実例|庭の四季を楽しみながら快適なワンフロアの暮らしができる家
・木の素材感を活かした温かみのある玄関
・和室や土間玄関、漆喰との相性が良い真壁
大壁とは?
大壁とは、柱や梁などの構造体を壁で隠す仕上げ方法です。現在の住宅では大壁で仕上げるケースがほとんどと言えます。
大壁のメリット
大壁のメリットを紹介します。
- ・施工が簡単でコストが抑えられる
- ・シンプルな内装に仕上がるため空間が広く見える
- ・モダンな部屋に仕上げることができる
- ・広い壁にタイルやアクセントクロスを施工できる
- ・断熱性や耐震性を高めやすい
大壁は構造体の内側から壁を施工する方法です。施工性が単純なので採用するハウスメーカーも多く、短工期で仕上げることができます。また、構造体が見えないため空間がすっきりとしているので、部屋が広く見える効果もあるでしょう。壁の端から端までアクセントクロスやタイルなどを施工したい方に向いています。
断熱性に関しては真壁のデメリットでお伝えした通り、大壁の方が断熱材を厚く施工することができます。そのため、より高い断熱性を求めたい方におすすめです。耐震性に関しても、構造体の内・外両側に耐力面材を施工できます。建物の仕様によっては、耐震性の高く仕上げることができるでしょう。
大壁のデメリット
大壁のデメリットを紹介します。
- ・和の落ち着いた雰囲気を作りにくい
- ・構造体の内側に壁を施工するため真壁よりも少しだけ部屋が狭くなる
- ・塗り壁をする場合は施工範囲が広くなるためコストアップになる
大壁は元々海外で採用されていた仕様のため、和の雰囲気を作るのには不向きです。現代では大壁の和室も一般的になっていますが、高級感ある本格和室を作りたいなら真壁をおすすめします。ただし、大壁でも床の間や内装材をこだわることで、高級感のある和室を作ることは可能です。
こちらは床の間にアクセントクロス、押入れに和柄の襖を採用した大壁の和室です。隣接している洋風のリビングと馴染む、和テイストの落ち着いた雰囲気に仕上がりました。このように内装材を工夫して和の雰囲気を作り出してくださいね。
また、大壁は構造体の内側に面材を施工するため、真壁と比べて少しだけ部屋の有効面積が狭くなります。ただし、生活してしまえばそれほど気にならないとは思います。空間の面積を広げるために、わざわざ真壁にする必要はないでしょう。
【大壁仕様】施工実例を紹介
大壁を採用した家の施工実例を紹介します。
・白い壁が美しい開放感のあるリビング
・和×モダンの爽やかな和室
・真壁では実現できない真っ白な洋風住宅
あなたは真壁・大壁どっち?違いを元におすすめのタイプを紹介
あなたは、真壁と大壁どちらの内装が好みでしょうか。おすすめのタイプを紹介します。
真壁の家がおすすめの方
真壁がおすすめの方は次のようなタイプです。
- ・温かみのある和の雰囲気が好き
- ・木を感じる落ち着く家を作りたい
- ・塗り壁を採用したい
- ・他の家にはない魅力を取り入れたい
木の素材を存分に活かした家を建てたいなら、真壁造りの家がおすすめです。木材が見える面積が増えるため、温かみのあるリラックスできる内装に仕上がります。また、和室や塗り壁を採用する場合にも相性が良いです。現在では、真壁を標準仕様で採用している住宅会社は非常に少ないため、特別感も味わうことができるでしょう。
注意点は、断熱性と耐震性に対する対策です。住宅会社がどのような断熱材を使い、どのように耐震性を高めているかを理解してから真壁を採用しましょう。また、真壁は施工性の難易度も高いです。実際に完成現場を見せてくれるような、施工実績が豊富な住宅会社を選んでくださいね。
大壁の家がおすすめの方
大壁の家がおすすめの方のタイプを紹介します。
- ・洋風やモダンテイストのかっこいい建物にしたい
- ・コストにもこだわって家づくりをしたい
- ・断熱性や耐震性にこだわりたい
大壁は、モダンや海外風の内装にしたい方におすすめします。ホテルのような高級感をイメージしていたり、木質感を隠した家にしたい方にはぴったりです。また、大壁は検討できる住宅会社も多いため、断熱性や耐震性、コストにこだわった家づくりをしたい方に向いているでしょう。自分に合った考えや価格帯の住宅会社を探し、満足の行くマイホームを建てましょう。
住宅会社によっては真壁・大壁の併用ができる
一般的な施工は大壁の住宅会社でも、和室の一部屋だけ真壁にするような柔軟な設計を行ってくれる会社もあります。田畑工事で行った、真壁・大壁併用の施工事例を紹介します。
建物の全体は大壁で仕上げた二階建て住宅です。
黒の玄関タイルが印象的な和モダンな玄関。
和室だけ印象をガラリと変更し、真壁で仕上げています。
温かみのある雰囲気の高級感ある和室です。真壁・大壁どちらの施工技術も持ち合わせているからこそできる技です。ご要望によっては真壁・大壁の併用住宅も建築可能ですので、気になる方はぜひお気軽にご相談くださいね。
将来的に真壁は大壁へリフォームすることが可能
真壁と大壁、あなたにはどちらが向いていたでしょうか。どちらにも良さがあるため、決めきれないという方もいますよね。
実は、真壁仕様なら将来的に大壁へリフォームすることが可能です。
新築時は真壁の美しさを楽しみ、何十年後かに大壁にリフォームすることで違ったデザインを楽しむことができます。また、リフォーム時に断熱材や耐力壁を追加することも可能なため、性能を高めた家にリフォームすることも可能です。
逆に、大壁から真壁にリフォームすることは難易度が高いためおすすめしません。将来的なリフォームの可変性を考えるなら、新築時に真壁仕様を採用するのも1つの手と言えます。数十年後の建物についても考えながら、検討してみてくださいね。
真壁・大壁はそれぞれに魅力がある!自分に合った選択を
真壁と大壁には、それぞれメリット・デメリットがありました。特にデザインイメージは大きく異なりますよね。真壁は、木の匂いや効果が楽しめる点も魅力の1つと言えるでしょう。対して、大壁は選ぶ住宅会社によってコストや性能面で利点がある可能性があります。長い間の生活を考えて、自分にとって合っている選択をしてくださいね。
田畑工事では、真壁・大壁どちらも施工可能です。それぞれのメリット・デメリットも熟知していますので、お客様のご要望を伺った上で適切な仕様をご提案できます。ぜひお気軽にご相談ください。
浜松で家族の暮らしに寄り添った自然素材の家を造る工務店
田畑工事は、「ご家族が生涯を通じて、健康・快適に暮らせる住まい」という創業以来の想いを基に、家づくりをしています。
自然素材で建てられた家、一世代だけで終わる家ではなく、子や孫の代まで、心地よく暮らせる家、家族それぞれのライフスタイルに寄り添った家をお考えであれば、ぜひ田畑工事のモデルハウス見学や家づくり相談においでください。