使いやすいパントリーの作り方|間取り実例を元におすすめの広さや動線を解説
食品や調理家電をすっきりと整理整頓できるパントリー。キッチン収納として人気の高い間取りです。では、パントリーはどのくらいの広さが必要なのでしょうか。動線や棚の種類などによっても使いやすさは大きく変わるため、慎重に検討しなければなりません。そこで今回は、使いやすいパントリーを作るポイントを細かく紹介します。
目次
良く採用されるパントリーは2種類
注文住宅で多く採用されるパントリーは2種類あります。それぞれの特徴を紹介します。
①棚がついた物入れ
空間に棚を施工した一般的な収納です。上の画像の場合、キッチン横のスペースをパントリーと冷蔵庫置き場として採用しました。右側がパントリー、左側が冷蔵庫置き場です。棚をつけただけのパントリーは、省スペースで採用できる点がメリットです。使い勝手を重視するなら扉なし、目線を遮りたいなら扉ありを選びましょう。
②人が入れるウォークインタイプ
施工事例|梅雨の季節も爽やかに暮らす家づくり 浜松市浜北区F様邸
人が入っていけるウォークインタイプのパントリーです。ウォークインタイプは、クローゼットや玄関収納に人気の間取りですが、パントリーで採用されることも少なくありません。一般的なパントリーと比べて広さが必要ですが、大きなものも収納しやすい点や他の空間と共有できる点がメリットです。
パントリーの適切な広さは?
パントリーは何畳あると使いやすいでしょうか。使いやすい広さについて考えます。
食材を入れるだけなら0.5畳以下で十分
施工事例|家族のかたちにつくる 家浜松市中区S様邸(認定長期優良住宅)
一般的な食品庫として使うなら、コンパクトな0.25~0.5畳のパントリーで十分です。上の事例では、キッチンと階段の間に0.25畳の大きさの扉付きパントリーを採用しました。床から天井まで収納として使えるため、意外と収納量があります。もっと収納量が必要な場合は、こちらのパントリーを横並びで2つ付けましょう。
ゴミ箱などの奥行きがあるモノを置く場合は、もう少し奥行きを確保することをおすすめします。パントリー内の奥行きが60cmくらいあると、ゴミ箱がすっきり納まります。ただし、収納棚は奥行きが浅い方がものを出し入れしやすいため、0.25畳のパントリーと同様の30cm前後の奥行きの棚を付けましょう。
ウォークインタイプのパントリーは1畳がおすすめ
ウォークインタイプのパントリーを採用したいなら、1畳前後の広さをおすすめします。上の画像は、キッチン横に1畳のパントリーを採用した事例です。キッチンの通路幅と同じくらいの広さを、人が入るスペースとして確保しました。キッチン側とカップボード側にそれぞれ収納棚を付けています。ゴミ箱などを収納してもかなり余裕のある空間です。人が立つスペースに窓をつけることもできます。
他の空間と共有するなら2畳以上あると便利
パントリーと他の空間を共有したいなら、2畳以上の空間がおすすめです。上の画像は、パントリーと家事室を兼用にした間取りです。棚2つとカウンターを付けました。1畳の空間に棚とパントリーを採用するのはかなり窮屈なので、少なくとも2畳以上のスペースを確保することをおすすめします。
他にも、土間スペースや趣味部屋をパントリーと兼用にするなど、家庭によって共有する空間はさまざまです。共有する空間の用途を考えながら、必要な広さを採用しましょう。
動線の良いパントリーの間取りとは?
動線の良いパントリーを採用するには、どのような空間を近くに配置するべきでしょうか。
パントリーはキッチンの近くに配置するのが鉄則
大前提として、パントリーはキッチンや冷蔵庫の近くにあると使い勝手が良いです。調理中に食材や調理家電をパントリーから取り出すときもスムーズですし、買い出し後の食材も効率良くしまえます。キッチンのすぐ横や裏などにパントリーを配置できる間取りがおすすめです。
■ パントリーを使いやすく作っても、キッチンの使い勝手が悪くては家事効率は上がりません。キッチン周り全体のレイアウトや動線を意識して、効率よく家事を進められる間取りを作りましょう。
コラム 使いやすいキッチンの間取りアイデア|レイアウトや動線、パントリーの位置は?
家事をする空間同士をつなげるとさらに便利に
さらに使い勝手を良くしたいなら、家事をする空間をまとめることをおすすめします。こちらの事例は、キッチン・家事室・パントリー・脱衣室・浴室・洗面所を一直線につなげた間取りです。
施工事例|家族のふれあいを大切にした家 袋井市T様邸(ZEH+長期優良住宅)
家事室が近くにあると、調理の合間にアイロンがけやパソコン等の作業ができます。また、買い出した食材を家事室のカウンターに一時置きして、冷蔵庫やパントリーに食材を振り分けるときにも役立ちます。脱衣室や浴室とパントリーが近ければ、洗剤やシャンプーなどの日用品のストックもパントリーにしまえて便利です。
こちらの事例では、キッチン裏にパントリー・家事室・洗面脱衣所・浴室のスペースを作りました。
空間を仕切る扉が無いため、空間の行き来がしやすいです。大容量の収納棚があるため、水回りで使うものをすっきりと整理整頓できます。
こちらはリビングからの目線です。
キッチン裏へは二方向から行けるようになっています。キッチンの奥側からはパントリーにつながっているため、食材の出し入れが楽です。一方で、キッチンの左側からは洗面所につながっているので、リビング・ダイニングからも洗面が使いやすくなっています。キッチンを中心とした回遊動線を作ることで、家事のしやすい間取りが完成しました。
他にもランドリールームなどとパントリーをつなげても、効率的に家事ができる間取りに仕上がります。自分の家事のルーティーンを考えながら、パントリーの動線を決めてくださいね。
玄関・勝手口とパントリーがつながる動線があると便利
買い出し後の荷物運びやゴミ捨てを楽にしたいなら、玄関とパントリーとつなげましょう。重い荷物を遠くまで運ばなくていいため、家事の負担を減らすことができます。
どうしても玄関とパントリーが離れてしまう場合は、キッチンに勝手口を採用すると動線が良くなることも。上の画像は、扉付きのパントリーのすぐ横に勝手口を付けた事例です。駐車場から勝手口までの距離が近ければ、荷物運びが楽になります。ただし、駐車場やゴミ捨て場までの距離が遠いと、メリットを感じにくいかもしれません。間取りや敷地全体の配置を考えながら、勝手口の採用を検討してくださいね。
■注文住宅では、さまざまな便利な動線が採用できます。パントリー以外の動線も気になる方はぜひこちらのコラムもチェックしてみてくださいね。
使いやすいパントリーを作る3つのポイント
パントリーを使いやすくするポイントを紹介します。広さや動線以外にもさまざまなことを考えてパントリーを作りましょう。
棚は奥行きが浅めの可動タイプが便利
パントリーには収納棚を造作でつけるケースがほとんどです。棚を付ける際は、奥行き30cm前後の浅めのサイズを選びましょう。食材は細々したものが多いため、奥行きが深すぎる棚は出し入れが大変になってしまいます。奥の方にしまった食材を見落としてしまい、賞味期限が切れてしまっていたということになりかねません。
また、収納棚は高さを自由に変えられる可動タイプがおすすめです。収納するものに合わせて調節できるため、空間を無駄なく使うことができます。ただし、重さのある調理家電などを置く場合は、耐荷重のある固定棚を選びましょう。1段だけ固定棚にして、残りを可動棚にすることも可能です。収納するものを具体的に考えながら、棚の種類を選んでくださいね。
リビングや玄関からの目線を考える
パントリーは生活感が出る空間なので、なるべく来客には見られたくないですよね。そのため、リビングや玄関からパントリーが見える配置の場合は目隠し対策が必要です。扉を付けてしまえば目線が隠せます。しかし、毎回の開け閉めが面倒という方も多いはずです。
空間のレイアウトはそのままでも、棚の向きを少し変えるだけで目線を遮れるケースもありますので、設計士に相談してみましょう。また、ロールスクリーンをつけるという選択肢もあります。扉と違って開けっ放しにしていても邪魔にならないため、来客時だけ閉めて目隠しすることができます。扉よりも安価で採用できる点もメリットです。さまざまな方法がありますので、間取りやパントリーの使い方に合った目隠しを行いましょう。
コンセントや照明、換気扇などの設備の検討も大切
パントリーを収納以外の用途で使う場合は、設備の検討を行いましょう。例えば、パントリーに電子レンジなどの家電を置く場合、コンセントが必須ですよね。家電を置く高さに合わせて、パントリーの中にコンセントを付けましょう。また、ゴミ箱などの臭いが気になるものを置くなら、換気扇をつけることで臭い対策を行うことができます。
1畳以上のパントリーを作る場合は、照明があると快適性が上がります。ウォークインタイプのパントリーは壁に囲まれているケースも多いため、照明がないと空間が真っ暗で食材が見にくいです。一般的な収納タイプのパントリーでも、キッチンと少し距離があると収納内が暗く感じることもあるため注意しなければなりません。全体の照明計画をチェックしながら、パントリーの照明の必要性を見極めましょう。
さまざまな工夫をとりいれて使いやすいパントリーを作ろう
パントリーを採用するなら、使いやすさにこだわることが大切です。収納するものの量やパントリーの使い方などを検討し、自分に合った広さや収納のタイプを考えてみてくださいね。また、パントリーは棚や設備の有無によっても使い勝手が大きく変わります。具体的な使い方をイメージしながら細かな仕様を決めることが大切です。こだわりのパントリーを採用して、生活の質が高まるマイホームを建てましょう。
田畑工事では、お客様のご要望に合わせた家づくりを行っております。パントリーなどの収納が充実した家もご提案可能ですので、ぜひお気軽にご相談くださいね。
浜松で家族の暮らしに寄り添った自然素材の家を造る工務店
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