室内に熱を伝えないためには「屋根」にも気を配る必要があります。
屋根は一日中日光が当たるので、対策を施さなければ屋根から室内へと熱が伝わってしまいます。
効果的なのは「断熱材を付属した屋根(鋼板屋根の場合)」です。
近年利用されることの多い鋼板の屋根は熱伝導率が高いので、屋根と室内の間に断熱材をクッションした製品が販売されています。
また、日本古来の「瓦屋根」も、高い熱遮断の効果を発揮します。
瓦屋根は、屋根と下地の間に空気の層がたくさん確保されているので、太陽光の熱を伝えづらい特徴を持つのです。
(5)断熱性能の高い窓・ドアを利用する
>引用:環境省 窓の断熱リフォームから、暮らしの脱炭素を始めよう
窓やドアといった「開口部を断熱性能の高いものにする」ことも効果的です。
夏場、熱の74%は窓から侵入すると言われていて、断熱性能の高い窓・ドアを利用することは室内を涼しくするのに大きな効果を発揮します。
アルミサッシを樹脂サッシに。ペアガラスをトリプルガラスに。性能の高い窓を利用すると、快適な住環境が手に入ります。
>浜松の工務店「田畑工事」では、断熱性能の高い樹脂窓APW330を利用しています
(6)断熱性・気密性を高める
熱の7割が開口部から出入りする、といっても壁からの熱の侵入も対策は必要です。また、外からの熱の侵入は気密性(いわゆる隙間風)も大きく影響します。
「断熱性・気密性を高める」ことで断熱性能を高めましょう。
熱を伝えにくいフェノールフォームや、気密性の高いウレタン吹付断熱材の利用が効果的です。
>浜松の工務店「田畑工事」の誇る断熱性能について
(7)適切な容量のエアコンを利用する
断熱性・気密性を確保した住宅では、エアコンの効きが格段によくなります。しかし「適切な容量のエアコンを利用する」意識は大切です。
特に勾配天井や吹き抜けを導入している場合は、エアコンの容量を大きくしたり、1階と2階にそれぞれ取り付けたりする必要があるので注意しましょう。
(8)全館空調を利用して家中の温湿度を均一に
「リビングは涼しいけど、廊下に出た瞬間ムワッとする」というのも夏によく見られる光景です。
しかし涼しい家を目指すなら、家全体の温度・湿度を一定にして部屋間を移動しても涼しく感じたいもの。この場合「全館空調」が効果的です。
小屋裏に空調機器を設置し各部屋に冷気を送ることで、家の中全体の温度・湿度を一定に保つことができます。
就寝時にリビングから寝室に行っても、快適な環境に保たれているのは非常に快適です。
>関連コラム:自然のエネルギーを活用するパッシブデザインと全館空調の関係
(9)間取りを工夫してしっかり通風する
気候が安定しているときは窓を開けて換気したくなります。
「換気効率に配慮した間取り」にすることで、効率的に熱気を追い出すことができるでしょう。
日本では主に南から北に向かって風が抜けるので、南に大きな開口を設けるとともに、北側に風が抜けるように間取りを配慮したいもの。
また、地域によっては東西方向に風が抜ける場合もあります。地域ごとの風の特徴を把握することも大事です。
>関連コラム:浜松で注文住宅を建てる田畑工事が考える一戸建ての間取りの造り方
(10)吹き抜け・高窓で高低差を利用した換気
>施工事例:吹き抜けを設け効率的に換気できる住まい
夏場は無風状態のときもあります。このときも「高低差を利用した換気」は効果的です。
空気は暖められると上昇する特徴を持つので、吹き抜けや高窓を設けることで、温かい空気を効率的に排気し、涼しい空気を階下の窓から取り込めます(重力換気といいます)。
自然の風を好む人は、横方向の間取りとともに縦方向の空気の流れも意識すると、涼しい家に一歩近づきます。
(11)しっくい・珪藻土を利用して湿度調整
温度とともに、湿度の調整も涼しい家を目指す上で大切な要素になります。
「しっくいや珪藻土」といった素材を利用することで、適度な湿度環境が手に入るでしょう。
しっくいや珪藻土は一般的なビニールクロスと異なり、湿度が高いときは湿気を吸収する性質を持ちます。手触りもサラリとしているので、触れたときのひんやりした感触も含めて、涼しい家にぴったりの素材です。
>浜松の工務店「田畑工事」が勧める内装・天井仕上げについて
(12)無垢の木で足元を爽快に
素材を利用して涼しさを求めるためには「床に無垢の木を利用する」のもおすすめ。
杉や桧、松といった天然木も、しっくいや珪藻土と同様に湿気を吸放湿する特徴を持っています。足で触れたときに、ひんやりサラリと感じる独特の感触は無垢の木ならではです。
使用する木の種類によって、温冷感や硬さ・柔らかさが異なるので、見学会に行くときは木の種類も気にしながら見学することをおすすめします。
>浜松の工務店「田畑工事」が勧める床仕上げについて
(13)除湿機・エアコンの除湿機能を利用
雨が降っているときなど、屋内外の湿度が極端に高いときは天然素材の吸放湿機能も限界を迎えてしまいます。「除湿機・エアコンの除湿機能」を利用して、室内の湿度を強制的に下げることも効果的です。
このとき、気密性の高い住まいや自然素材を利用した家であれば、少ない稼働率で高い快適性を獲得できるので、ここまで紹介した対策を複合的に利用することがおすすめです。
浜松市で実現!「涼しい家」の建築事例2選
記事の終わりに、ここまで紹介した「涼しい家」にするための方法を採用している、静岡県浜松市の事例を2つ紹介します。
大きな軒とどこか懐かしい広い土間のある家(浜松市北区)
>施工事例:大きな軒とどこか懐かしい広い土間のある家(浜松市北区)
はじめに紹介するのは、南の庭に向かって一階・二階とも大きく張り出した軒が印象的な住まいです。
大きな軒は、太陽光を避けたい夏には日差しを遮り、冬は太陽光を取り入れられる適度な長さに設定しています。
日差しだけでなく雨の吹き込みも防げるので、一階の縁側や二階の手すりの劣化を防ぐ機能も持ち合わせています。