瓦屋根は地震に弱いのか?耐震性の有無と「7つの地震対策」について解説
「瓦屋根は地震に弱いですか?」
このような質問を頂くことがあります。
回答するために本記事では、瓦屋根の耐震性について解説します。
冒頭で述べたとおり、瓦屋根は地震に弱いイメージがありますが、実は適切な工法・建材を利用することで地震に強い瓦屋根の住まいは実現可能です。
瓦屋根に弱いイメージができた理由や、地震対策の具体的な方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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瓦屋根は「地震に弱い」「落ちる」は本当?
>参考:国土技術政策総合研究所 Q1.瓦屋根とは、どんな屋根?
はじめに、「瓦屋根は地震に弱い」「瓦屋根は地震で落ちる」こうしたイメージは正しいのか確認します。
瓦屋根は「地震に弱い場合がある」
結論からお伝えすると、瓦屋根は地震に弱い場合があります。
具体的に地震に弱いケースは、旧耐震基準の家が瓦屋根を採用していた場合です。
柱や梁といった構造部分の強度が同じ建物の場合、屋根は軽いほうが構造部分にかかる負担が少なくなりますので、ガルバリウム鋼板など軽量な屋根より瓦屋根の方が負担が大きいことになります。
特に旧耐震基準で、震度6弱・6強・7といった震度を想定していない基準に基づく建物であれば、屋根の重さが建物に与える負担はさらに大きいものとなります。
>参考:国土技術政策総合研究所 Q3.瓦屋根は、重いので住宅全体の耐震性に影響するのでは?
一方で、震度6強~7の地震にも耐えられる現行基準の建物であれば、屋根の重さが建物に与える影響の度合いは少なくなります。
なぜなら、重い屋根の場合は十分な耐震性になるように、耐力壁(地震に抵抗する役割を持つ壁)の量を増やすよう基準が定められているからです。
瓦屋根であっても、現行の耐震基準に基づいて建てられた家であれば、耐震性について不安になる必要はありません。
また、古い耐震基準に基づく場合でも、耐震リフォームを施すことで耐震性を高めることは可能です。
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瓦屋根は「落ちる場合がある」
瓦屋根の落下についても、地震によって落ちる場合があるといえます。
旧来、瓦屋根は釘などで固定されておらず、粘土で固定することが一般的でした。
しかし、粘土による固定は乾燥収縮によって不安定化することや、台風などの強風、大きな地震によって落下することが危険視されています。
そこで、令和4年から瓦屋根の施工方法について基準の改正が加えられています。
旧来は一部の瓦を動線や鉄線、くぎ等で固定すればよかったところ、原則全ての瓦をねじやくぎで固定することとなりました。
こうした改正によって、瓦屋根が強風や地震によって落下する危険性は大幅に減ったといえます。
また、基準の改正に加えて瓦の製品自体も地震対策が考案されています。
たとえば、釘打ちをするための穴が設けられたり、瓦同士を一体化する金具が設けられたりと、独自に耐震性を高める工夫が加えられた製品も登場しています。
現行の基準に基づいて屋根を仕上げることが大切
「瓦屋根は地震に弱い」「瓦屋根は地震のとき落ちる」
こうした指摘は、旧来の製品や工法を利用したケースでは正しいといえます。
一方で、大地震を受けて基準や工法が更新される中で、現行の基準・工法を利用した瓦屋根は地震に対して十分な強度を持っているといえます。
>参考:国土技術政策総合研究所 Q2.地震の際、瓦屋根が落下するのは、なぜ?
実際に震度7クラスの揺れがあった熊本地震でも、旧工法を使用した瓦屋根の家とガイドライン工法による家とでは、大きな差が生じています。
▶関連コラム:100年持つ家・頑丈な家を建てるには?ハウスメーカーの選び方やメリットなども解説
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瓦屋根でも安心「地震対策7選」
工法の見直しが進む中で安心感が高まる瓦屋根ですが、さらに安心感を高めるべく地震対策の導入を検討しましょう。
防災瓦を利用する
1つ目の対策は、防災瓦を利用することです。
防災性に配慮した瓦は、瓦同士を一体化できる金具や屋根に瓦を打ち付けやすい工夫が加えられ、地震への耐久性を高めています。
また、製品によっては耐久性をそのままに軽量化を果たしたものもありますので、さらに建物への負担を減らすことが可能です。
耐震等級3を取得する
>参考:国土交通省 確かな性能・安心の住まいづくりをしませんか?
2つ目の対策は、耐震等級3を取得することです。
耐震等級とは、建物の耐震性を3段階で表した指標で、耐震等級3は最高等級に当たります。
震度6強~7の地震にも耐える耐震等級1の1.5倍の強度を期待できますので、柱や壁も十分な強度になり瓦屋根でも地震に対する不安を解消できます。
▶関連コラム:『耐震等級3』とは?メリット・デメリットを解説!「必要か?費用は?」など疑問への回答も紹介
制震・免震技術を導入する
>地震対策として活用可能な「制震装置・制震テープ」の施工状況
3つ目の対策は、制震・免震技術を導入することです。
制震技術とは、建物に加わる揺れのエネルギーを熱などの異なるエネルギーに変換する技術です。
重い瓦屋根で重心が高くなり揺れが大きくなる場合でも、制震技術の減衰効果によって建物の損傷を軽減できます。
また免震技術とは、建物本体と基礎の間に免震装置を取り付けることで、地震の揺れが建物に伝わることを防ぐ効果を持っています。
制震技術と同様に、建物に加わる揺れや歪みを減衰できますので、地震による建物の損傷を防げます。
▶関連コラム:【耐震・制震・免震】の違いは?結局どれがいい?メリット・デメリットを解説
耐震診断を受ける
お住まいの建物の屋根が瓦屋根の場合は、耐震診断を受けることをおすすめします。
耐震診断を受けることで、現在の建物の状態(間取りや構造部分の強度、基礎や屋根の老朽度など)を把握でき、大きな地震を受けたとき倒壊や損傷する可能性の有無を判定できます。
また、具体的にどういったリフォームを加えれば耐震性を高められるのか、具体的な対策のアドバイスも受けられますので、屋根に加えて建物全体の状態を診断してもらいましょう。
耐震補強・リフォームをする
5つ目の対策は、耐震診断の結果を受けて耐震補強・リフォームすることです。
耐震補強の具体的な工法の例には、次のようなものがあります。
- ・地震の揺れを耐える壁(耐力壁)の追加
- ・老朽化した柱、梁の交換
- ・基準を満たしていない金物の交換
- ・基準を満たしていない基礎の補強
- ・軽量瓦、鋼板屋根への更新
こうした耐震補強・耐震リフォームをすることで、重量のある屋根にも耐えられる強い構造が手に入り、安心感のある住まいを実現できます。
>参考:浜松市 木造住宅耐震補強助成事業及び耐風改修助成事業
屋根をガイドライン工法に合わせて更新する
6つ目は、瓦屋根をガイドライン工法に則った屋根に更新することです。
お住まいの家の屋根が粘土を利用した固定方法などである場合、大きな地震や台風を受けたとき、建物の損傷や倒壊、瓦屋根の落下といった被害の原因になる可能性があります。
1枚ずつ釘で屋根を木材に固定する、現行の基準に基づく工法の屋根に更新することをおすすめします。
補助金の活用も忘れずに
7つ目は、補助金を活用することです。
紹介した耐震診断やリフォーム工事には一定の費用がかかりますが、自治体によっては補助金が交付されることもあります。
特に耐震診断については、無償で受けられるケースもありますし、耐震リフォームも補助金を受けられる可能性がありますので、必ず国や自治体のホームページを確認しましょう。
>「耐震・制震・免震」いずれの工法も対応可能 田畑工事の耐震対策
まとめ│最新工法で瓦屋根でも安心の暮らしに
「瓦屋根は地震に弱い?地震のとき落ちる?」
こうした疑問、不安に対して、瓦屋根でも安心して暮らすための方法を紹介しました。
瓦屋根はガルバリウム鋼板屋根などと比較して重いことは確かですが、重さに応じた柱・梁、耐力壁など適した工法にすることで大地震に備えられます。
- ・メンテナンスフリーで耐久性が高い
- ・空隙が多く遮音性が高い
- ・空隙が多く断熱性が高い
- ・独特の重厚感を得られる
- ・不燃材料で火災に強い
また、瓦屋根にはこのような独自のメリットもありますので、瓦屋根に魅力を感じている方は、耐震性を高めつつ瓦屋根を施工できる施工実績の多い工務店に依頼することをおすすめします。
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