家づくりプランでは、間取りや、住宅性能をしっかり考えることが大切ですが、内装も、新しい家の快適さに大きな影響を与えます。
住宅性能や間取りは、正解が決まっている部分があります。
間取りは家族の生活の仕方にあっていること、住宅性能は、気候の変化に合わせて、室内環境が調えられること、地震や台風が発生しても、安全が守られることが基本だからです。
内装にも、室内環境を調える素材を選ぶという住宅性能に関する要素もありますが、大きな違いは、好みによって、内装の選び方は千差万別だということです。
自然素材を使ったシンプルな内装を好む人もいれば、鮮やかな色彩の内装を好む人もいます。
和風な内装を好む人もいれば、洋風な内装を好む人もいます。
「新しい家では、緑のある室内にしたいな…。」と考えている人もいるでしょう。
室内で緑を楽しむインドアガーデニングは、本格的な庭でのガーデニングに比べると、手軽に始められます。
そして、室内で育てる緑と調和する内装であれば、インドアガーデニングはさらに楽しくなります。
室内の緑と相性が良い内装には、無垢材のフローリングや、漆喰の壁無などの自然素材を使った内装があげられます。
自然素材との相性は、見た目だけではありません。
植物の室内での働きと、自然素材の内装が室内環境に与える効果には、共通点が多くあるのです。
自然素材の内装と、インドアガーデニングの効果
自然素材の内装にも、観葉植物などのインドアガーデニングにも、視覚的な効果と、室内環境にかかわる効果、そして私たちの心に対する効果があります。
■ 視覚的な効果…室内の雰囲気を演出する
室内の雰囲気を、より居心地よくします。
室内の緑が、内装に使われる素材の色や質感に調和していれば、その効果はさらに高まります。
また、無垢材の木目や、植物の緑には、目の疲れを回復させる働きと、脳にα波を発生させる働きがあります。
α波は、緑色や青色を見た時や、1/fゆらぎという自然界にある不規則な繰り返しによって発生するといわれています。
波の打ち寄せる音や、小川のせせらぎなどによる、聴覚的な1/fゆらぎでも発生しますが、星の瞬きや、砂丘の模様などの、視覚的な1/fゆらぎによっても発生します。
■ 室内環境にかかわる効果…空気をきれいにする、湿度を調整する
植物には、有害物質を吸収して分解する働き、カビの胞子を抑える、光と水を利用して、大気中の二酸化炭素を酸素に変える働きがあります。
その結果、植物由来の自然素材を使った内装の部屋や、観葉植物のある部屋は、きれいな空気が循環する室内環境が調います。
この現象に加えて、ポトス、オーガスタ、サンスベリアなどの観葉植物は、マイナスイオンを発生します。
流れ落ちる滝のそばに行くと、気持ちよさを感じるのは、滝の周辺には、多くのマイナスイオンが発生しているからです。
一方、電磁波によって、発生するプラスイオンが多い環境では、慢性疲労や肩こりなどが引き起こされます。
しかし、マイナスイオンが発生すると、室内に増え過ぎたプラスイオンとのバランスが調整されます。
その効果を狙った、マイナスイオンが発生する空気清浄機などもあるくらいです。
その他に、植物由来の自然素材を使った内装や、室内の観葉植物には、室内の湿度を調える働きもあります。
無垢材や、珪藻土、織物クロス、畳などには、空気中の水分が増え過ぎると、余分な水分を吸収する性質、空気中に水分が少なくなり過ぎると、内部の水分を放出する性質があります。
一方、植物には、室温が上昇すると、水分を蒸散し、室温が低下すると、熱を放出する働きがあります。
自然素材の内装と、室内の植物の組み合わせによって、室内の温度と湿度が、常に調節される状態を作れます。
■ 心に対する効果…心を落ち着ける、リラックスさせる
森の中のログハウスや、海辺に行くと、ゆったりした気分になります。
心をゆったりさせる要素の一つは、無垢材や、植物の放出しているフィトンチッドという揮発性化学物質に関係しています。
フィトンチッドは、樹木が、森に根を張っていたころに、虫や大気中の菌から身を守るために放出して物質なのですが、無垢材となってからも、放出し続けています。
室内の観葉植物も、同じように自分の身を守る為、フィトンチッドを放出しています。
このフィトンチッドが、人間にとっては、癒し効果を持っています。
森林浴をすると、リフレッシュした気分になるのは、この癒し効果によるものです。
無垢材が使われた内装の部屋に、緑の植物が置かれていれば、とても良い室内環境が調いそうですね。
失敗しないインドアガーデニングのコツ
「室内に緑があると素敵だとは思うけれど、枯らしてしまいそう…」
観葉植物には、実にさまざまな種類があり、丁寧にお手入れしないとすぐ枯れてしまう植物もあり、基本的なお手入れをしていれば、元気に育つ植物もあります。
■ 元気に育つ植物を選んだ場合の基本的なお手入れ
日当たりの良い場所に置く…日当たりが良いとは言っても、夏場は、直射日光が当たると、葉焼けしてしまいます。
レースのカーテン越しの陽射しが、観葉植物にとって心地よい日当たりです。
土が乾いたら水やりする…水やりは大切ですが、水やりをし過ぎると、根腐れしてしまいます。
水やりはたっぷりしますが、受け皿に水をためず、土が乾いたら水やりをしましょう。
水やりの回数は、気候の変化に応じて、夏は多くし、冬は少なくします。
ただし、冬は空気が乾燥するので、霧吹きで葉っぱにもお水を上げましょう。
冬の時期には、外には出さない…元気がないからと言って、冬場に観葉植物を外に出すと、かれてしまいます。
エアコンの風を当てない…暖房時でも冷房時でも、エアコンの風は、植物の葉を必要以上に乾燥させてしまいます。
置き場所を変えない…植物は、置かれた場所の環境に合わせて生きています。頻繁に場所を変えると、そのたびに環境に合わせなくてはならず、負担がかかって、弱ってしまいます。
観葉植物の種類
植物の中には、クテナンテやポリシャス、ベンジャミンなど、気候の変化や乾燥、寒さに弱く、育てるのが難しい植物もあります。
上手に育てられないかも…と心配な場合は、育てやすい植物から始めてみましょう。