注文住宅の良さは、自分たち家族の暮らしに、ピッタリ合った間取りの家を建てられることです。
その反面、家づくりプランを綿密に進めないと、後悔が残る暮らしにくい家になってしまうことがあります。
新築住宅のプランを作成するときには、新しい家に対するたくさんの希望があるはずです。
インテリア雑誌や、テレビコマーシャルで膨らんだイメージを実現させたいという思いもあるかもしれません。
その希望を全て詰め込んでしまえば、建築費は、どんどん嵩んでしまいます。
家づくりは、日常的な買い物と比べて、桁が違うので、金銭感覚がマヒしてしまい、予算を大幅にオーバーしてしまうこともあります。
その結果、理想の家は建ったものの、家計が圧迫されるという生活は、避けなくてはなりません。
理想の家で、ゆとりある生活を送る為には、予算と、床面積の範囲内で、家づくりプランを進めることが大切です。
新築住宅で絶対に外せないもの
予算内で納めるためとは言っても、住宅を建築する際に、絶対に削ってはいけない要素があります。
それは、住宅の性能です。
地震の多い国である日本に建てる家には、高い耐震性が必要です。
もう一つは断熱性です。
四季の変化がある地域に建てる家は、温度変化に対応し、寒い季節であっても、湿度の高い季節や、暑い季節であっても、最小限の冷暖房で、常に快適な室内温度と湿度を維持できなくてはならないからです。
これらの住宅性能は、家族構成や、立地条件、予算にかかわらず、絶対に外せない条件です。
暮らしやすさのために必要なもの
住宅の性能と違って、命と健康に、かかわることはありませんが、日々の生活を、暮らしやすい毎日にするために、必要なものについて、考えてみましょう。
■ 床暖房・全館空調
きれいな空気で、室内を暖かくできる設備に、床暖房と全館空調があります。
床暖房は、室内で燃焼させないので、きれいな空気のまま、暖房できます。
室内を乾燥させすぎたり、足元をひんやりさせたりせずに、暖かい環境が作れるので、人気がある設備です。
全館空調は、屋根裏などに設置した装置から、家中に暖かさと涼しさを送るので、年間を通して、快適な室温が保てることが特徴です。
家の中の温度差が抑えられ、浴室やトイレ、廊下も暖かくなるので、お子様や、お年寄りのいらっしゃる家庭には、健康管理がしやすい環境が作れます。
どちらも、新築時に設置した方が、スムーズに導入できる装置ですが、建築費にも大きく影響するため、迷われる方は多いと思います。
つけなくても良かったと感じる人がいることも事実です。
比較的温暖な気候の浜松でも、家族の暮らし方によっては、あってよかったと感じることもあります。
その反面、家族構成や暮らし方によっては、必要なかったと感じることもあります。
田畑工事では、ご家族の構成や暮らし方に応じて、冷暖房の設備を選ぶことが大切だと考え、選び方のアドバイスもさせていただいております。
■ 収納
常に整頓されている部屋を実現させるのは、使い勝手の良い収納です。
収納スペースの作り方によって、暮らしやすさは大きく変わります。
物が溢れやすい場所に、ちょうどよいサイズの収納スペースがあれば、すっきりした空間が作れます。
物が溢れやすい場所は、キッチン、リビング、玄関です。
片づけても片付けても、きれいにならない為、主婦のストレスになりやすい場所でもあります。
パントリー
食料品、調味料、調理家電など、すべてを収納できます。
その為、使いやすく、生活感の出ないキッチンが実現します。
ただし、パントリーのサイズによっては、窮屈なキッチンになってしまう恐れもあるので、キッチンの面積に合わせたサイズにしなくてはなりません。
床面積の余裕があれば、冷蔵庫までおけるような、ウォークインタイプのパントリーが作れます。
それほど余裕がなければ、キッチンでの動きを、圧迫しない範囲内のサイズに、抑えておきましょう。
例えば、床面積に限りがある場合には、アイランドキッチンの背面に、間口が広く、奥行きの浅い天井までの引き戸のパントリーを作るという選択肢があります。
調理中には、引き戸を開け、食事をする時や、来客時には、引き戸を閉めると、生活感が隠せます。
家族が多い、週末にまとめて、食料品を購入するというようなご家族には、便利な収納になるでしょう。
反対に、こまめに買い物に行くので、買い置きの食料品は少ない、夫婦だけの暮らしなので、食器類や調理器具が少ないというような家族であれば、無理に設置する必要はありません。
玄関収納
玄関に、大型収納があると、玄関内がきれいに片付きます。
特に、半分は土間収納になっていると、靴以外に、ベビーカーやスポーツ用品なども、収まります。
玄関の室内側部分には、コートや帽子、バッグなどがしまえるので、帰宅時の荷物をリビングに持ち込まずに、片づけられます。
リビングに物が溢れる原因の一つは、帰宅した家族が、自分の部屋にコートやバッグを置きにいかず、リビングに直行するからです。
玄関で外出時の荷物が片づけられれば、玄関もリビングも、散らかりません。
間取りの関係上、土間収納だけにし、玄関とリビングをつなぐ廊下や、リビング内に、ウォークスルークローゼットを設置するという選択肢も考えられます。
■ 洗濯にかかわるスペース
主婦にとって、洗濯にかかわる家事労働は、間取りによって増減します。
特に、洗濯物を干すスペースが、2階、3階にある場合、毎日の家事負担は、大きくなってしまいます。
洗濯室や、洗濯機を置く予定の場所の近くに、洗濯物を干せるスペースがあれば、洗濯にかかわる家事の効率が、良くなります。
洗濯する→干す→取り込む→アイロンをかける→たたむという作業が、移動せずに済ませられるからです。
また、雨が長く続く季節でも、洗濯物が干せるので、子育て中の家族には、とても便利です。
新築時に無理に作る必要のないもの
■ 子供部屋や、日常的に使わない部屋
ほとんどの家族が、あって当然と考えているにもかかわらず、家を建てた後には、なくても困らなかったと感じる場所があります。
意外だと感じると思われる方が多いと思いますが、それは子供部屋です。
一般的な家づくりでは、2階の部屋の中で、最も日当たりが良く、眺めの良い部屋を子供部屋に割り当てます。
狭小住宅では、床面積節約のため、子供部屋を作らないという間取りを考える方もいらっしゃいますが、ほとんどの場合、あるのが当たり前と考えていらっしゃいます。
でも、本当にそうでしょうか?
ここ数十年の傾向として、リビング中心の間取りが増えてきています。
家にいるときは、リビングで過ごすという暮らし方の家族も、少なくありません。
リビングにいる時間、家族で一緒に何かをしているわけではなく、それぞれがやりたいことをしている、というような過ごし方です。
子供たちにとって、リビングは、宿題や読書をする場所であり、両親との会話を楽しみ、寛ぐ場所でもあります。
子供部屋は、寝る時だけしか行かない、という子供もいるほどです。
さらに、子供は成長し、やがて独立していきます。
あえて子供部屋を作らなくても、勉強コーナーのあるリビングを作れば、それで十分だったと感じる人も、少なくありません。