いつかは自分の家を建てたい、結婚したら家を建てよう、子育ては戸建ての家でしたい…そんな想いを実現させることはとても大変です。
時間と費用がかかるからです。
家を建てる為の情報収集と、工務店との家づくりプランの打ち合わせだけでも、数カ月かかります。
中には、1年近くかけて、情報収集やプラン作成に時間をかけるケースもあります。
やっと家が完成した後は、20年~25年かけて、住宅ローンを返済していく家族がほとんどです。
それだけの時間と費用をかけて建てる家は、必ず理想の家にしなくてはなりません。
家づくりには、時間と費用が掛かりますが、時間と費用をかけた家は、適切なメンテナンスを続けていれば、子や孫の代まで快適に過ごせる場所でもあります。
もし、万が一、時間と費用をかけて建てたにもかかわらず、完成後に暮らしにくさを感じる家であったとしても、簡単には建て直せません。
時間と費用をかけて、やっと建てる家を、決して後悔の残る家にしない為に、理想の家に必要な条件に付いて考えてみましょう。
家の中の環境
冬の暖かさ、夏の涼しさ、日当たりと風通しの良さは、快適な暮らしの基本です。
冬暖かく、夏は涼しい環境を調える為には、冷暖房の効率が良いことと、日当たりと風通しが良いことがあげられます。
日当たりと風通しが良く、冷暖房の効率が良ければ、最小限のエネルギーで、快適な室温が調えられるからです。
その方法の一つがパッシブデザインです。
パッシブデザインとは、自然のエネルギーを利用して、室内環境を調える設計の方法です。
敷地周辺の状況、方角、地域の風の性質を考え併せた位置に窓を設け、陽射しと風を採り入れます。
陽射しは室内に明るさと、暖かさを届けます。
夏の強い陽射しは、深い軒や窓の前の落葉樹、家の外側につける簾や、オーニングで遮蔽します。
高低差のある窓は、風の通り道を広げ、家の中の換気を良くし、夏には室内の熱を外に排出します。
室内環境を調える為には、屋根、壁、窓や玄関、床の断熱性の高さも必要です。
パッシブデザインと高い断熱性の組み合わせで、1年を通して、季節に応じた快適な室温を維持することができます。
加えて、パッシブデザインの家には、パッシブエアコンという全館空調の装置が設置できます。
夏は涼しい空気を、冬は暖かい空気を家中に循環させるシステムです。
さらに室内環境を良くする要素として、内装に使われる自然素材があげられます。
木材、畳、塗り壁など、日本で昔から使われてきた自然素材には、調湿性、蓄熱性、断熱性など、室内環境に良い影響を与える性質があります。
気候の変化によって、室内の湿度は変化し、室内の快適さが損なわれる原因を作ります。
梅雨時はジメジメし、夏は蒸し暑くなり、冬は乾燥するというような状態です。
木材の調湿性は、そのような変化を抑え、湿度が高くなる季節は爽やかな空気、乾燥する季節にはしっとりした空気を創り出します。
蓄熱性は冬の季節に、取り込んだ陽射しの熱を内部に蓄え、日が落ちてからの時間帯にその熱を放出します。
断熱性は、夏は太陽熱を室内に伝えず、冬は暖房の熱を逃がしません。
設計、家の外側を包む断熱性の高い建材、室内環境をより良くする自然素材、空調装置の組み合わせで、家の中の理想的な環境が調います。
家族のコミュニケーションに影響する間取り
暮らしやすい住宅には、家族構成と家族の暮らし方に合った間取りが必要です。
間取りの条件には、家族の暮らし方に合った生活動線がある、家族の愛情が深められることと、プライバシーを守れることが両立しているといったことがあげられます。
まず、どんな風に暮らしたいかということについて考えてみましょう。
家族構成によって、暮らし方は変わってくるのではないでしょうか?
子供がすでに、中、高校生以上になっているタイミングで家を建てるご家族、もうすぐ誕生してくる子供に備えて家を建てるご夫婦、二世帯3世代で暮らすために家を建てるご家族…と家族構成だけでも、様々な違いがあります。
家族の触れ合いの多い暮らしにしたいご家族もあれば、それぞれのプライバシーを守れる暮らしにしたいご家族もあるでしょう。
家族皆が、リビングで過ごすことが多いご家族の場合、家の中心になる場所は、リビングです。
玄関から最も近い位置にリビングがある間取りは、家族の自然な触れ合いが生まれる動線を作ります。
それぞれの居室から外出する時も帰宅する時も、リビングを通るので、家族の行動を把握できます。
反対に、二世帯住宅で、それぞれの世帯のプライバシーを確保したい、というような場合には、廊下を設けて、世帯ごとのスペースを分けるという間取りも考えられます。
家事負担に影響する間取り
家事効率を良くする動線も大切な動線の一つです。
2018年の住宅・土地統計調査を見ると、静岡県の住宅のうち、平屋の割合はわずか13,1%でした。
家事負担が楽になる平屋と違い、ほとんどの住宅は2階建て以上ということがわかります。
2階建て住宅では、洗濯物に関わる家事の負担が大きいので、家事動線を工夫する必要があります。
多くの場合、洗濯機は、1階の洗面所、または脱衣所に設置すると思います。
そして洗濯物を干す場所は、2階のベランダです。
もし、1階に洗濯物を干す場所があれば、階段を昇り降りせずに、洗濯物を干したり、取り込んだりできます。
1回に洗濯物を干す場合、いくつかの方法が考えられます。
外干ししたい場合は、庭やテラスに洗濯物を干すという方法があります。
ただ、この方法をとった場合、道路との位置関係によっては、通りから洗濯物が見えてしまうという問題点があります。
リビングとテラスの間にサンルームを設けるという方法をとると、通りからの視線は抑えられます。
ただ、テラスやサンルームに洗濯物を干す場合には、リビングからの景観が洗濯物干し場になってしまうので、来客の際に困るという問題点があります。
そのような問題が気になり、2階のベランダに洗濯物を干したいという場合には、2階に洗濯機を置くスペースと、洗濯物を畳むスペースを設けるという方法もあります。
畳んだ洗濯物は、自分の部屋に行くときに、子供たちが子供部屋に運んで収める、洗いたい物は、洗濯機のそばの洗濯籠に入れるというような取り決めにしておくと、浴室のそばに洗濯機がなくても、それほど不便はありません。
花粉や黄砂が気になるので、外干しはしないというような場合には、ランドリールームを設けるという方法があります。
洗面所を広く造り、ランドリールームと兼用することもできます。
ランドリールームだけなら2畳程度、洗面所と兼用する場合には3畳程度の床面積が使いやすい広さです。
洗濯機置き場と収納、物干しスペースを設けます。
物干しスペースは、洗濯物を取り込んだ後には、アイロンがけをしたり、畳んだりするスペースとして活用できます。
収納には、洗濯洗剤などを入れる棚の他に、パジャマや下着、タイルなどを入れる収納があると、畳んだ洗濯物を収める為の移動や、入浴準備の為の移動も少なくすることができます。
共働きで、洗濯物を取り込む時間が、暗くなってからの時間帯になってしまう、というようなご家族の場合、室内干しができると、防犯性も高まります。
洗濯は、朝食の支度をしながらすることが多いと思うので、ランドリールームは、キッチン、リビング、階段を回遊できる位置にすると、家事全般の作業が捗ります。
暮らしやすい家には、快適な室内環境、家族の愛情を育む間取り、家事負担を少なくする間取りが大切です。
暮らし始めてから、ここはこうすればよかった…と後悔しないよう、どんな暮らし方をしたいかということと、現在の家族の暮らし方を考え併せて、家づくりプランを進めていきましょう。
浜松で家族の暮らしに寄り添った自然素材の家を造る工務店
田畑工事は、「ご家族が生涯を通じて、健康・快適に暮らせる住まい」
という創業以来の想いを基に、家づくりをしています。
自然素材で建てられた家、一世代だけで終わる家ではなく、子や孫の代まで、心地よく暮らせる家、家族それぞれのライフスタイルに寄り添った家をお考えであれば、ぜひ田畑工事のモデルハウス見学や家づくり相談においでください。