戸建ての注文住宅を新築する際に、大切なポイントはいくつもあります。
日々の暮らしの安全を支える耐震性と防犯性
家の中の温度を調える断熱性と気密性
居心地の良さを作る内装と、家族のイメージを現わす外観デザイン
たくさんの要素の中で、家族の暮らしやすさに直接かかわる項目の一つが、間取りです。
間取りは、家族の生活動線に加えて、日当たりや風通しにも大きく影響します。
家づくりの過程で、間取りを考える際に、どんなことに注意が必要なのか、考えてみましょう。
家族の暮らし方に合わせる間取り
家族構成と、家族の生活の時間帯によって、暮らしやすい間取りは変わってきます。
同じ家族であっても、子供の成長によって、暮らしやすい間取りは変わるものですが、家族の暮らしの変化は、緩やかな変化です。
子供の成長や、やがて来る独立の日を視野に入れて、手軽なリフォームで、その変化に応じられる設計にしておけば、問題ありません。
引退後のご夫婦だけが暮らす家と、新婚でこれから子育てをする予定のご夫婦では、同じご夫婦2人だけの暮らしでも、異なる間取りが必要です。
引退後のご夫婦が暮らす家の間取りは、高齢になるまで、安心して暮らせる間取りを、基本に考えることが必要でしょう。
階段のない平屋で、家の中はもちろん、庭への出入りもバリアフリーの間取りが理想的です。
しかし、これから子育てを計画している若いご夫婦の場合は、4人以上が暮らせる間取りを計画しておかなくてはなりません。
子供がいる生活は、物が溢れるので、有効な収納スペースも必要です。
子供部屋、子供部屋を作らない方針であれば、リビングやダイニングに勉強コーナーがいるかもしれません。
人数の多い家族であっても、出勤時間や通勤時間がほぼ同じ、帰宅時間には、ばらつきがあるものの、基本的に朝と夜の食事は一緒に摂る、というような家族もあれば、
家族全員の起床、就寝、食事など、生活の時間帯がずれているという家族もあります。
この場合、同じような家族構成であっても、家族の暮らしやすい間取りは、同じではないでしょう。
■ 洗面所・浴室・トイレの考え方
家族の時間帯が、ほぼ同じという家族の場合には、朝は洗面所とトイレ、夕方は浴室が混雑します。
家族の人数が4人以上の場合、トイレを2階にも作る、サブ洗面台を洗面所以外の場所にも作る、または、洗面所の洗面ボールを2つにするなどの工夫で、朝の時間帯のストレスを、回避できます。
さらに、浴室と洗面所の組み合わせ方にも工夫が必要です。
小さいうちは、気にしませんが、年頃になると、入浴時に、他の人が洗面所に入ってくるのを、嫌がるようになる時期があります。
また、洗面所を使う時間が長くなり、他の家族が、洗面所や浴室が、使いにくくなることもあります。
その為、家族の人数が多い場合や、兄弟姉妹が異性である場合には、洗面所と浴室をそれぞれ独立させておくと、使いやすさが向上します。
■ リビングの考え方
家にいる時間は、家族揃ってリビングで過ごすことが多い家族、それぞれの居室で過ごすことの多い家族、お客様の多い家族では、リビングの造り方が違ってきます。
家にいる時間は、家族揃ってリビングで過ごすことが多い家族であれば、リビングは、家の中心に、できるだけ広く造りたいものです。
ただし、このような過ごし方をするリビングは、家族の暖かなくつろぎの場になると同時に、散らかりやすい、雑然とした場になってしまう恐れもあります。
家族が、リビングにどんなにいろいろな物を持ち込んでも、常にすっきりさせておくために、リビングに、ファミリークローゼットを作っておくと安心です。
床面積に余裕があれば、ウォークスルータイプにし、家族の荷物が何でもしまえるようにしておけます。
内部に子供の勉強コーナーや、アイロンがけコーナーなどを作るという選択肢もあります。
■ 居室の配置に関する考え方
リビングはめったに使わず、家族は食後、それぞれの居室で過ごすというような生活であれば、キッチンやダイニング、またはそれぞれの居室を広く取った方がよいでしょう。
生活の時間帯が、バラバラの家族の場合は、水廻りはできるだけまとめ、家族がお互いの睡眠や、プライバシーを妨げない間取りにしなくてはなりません。
遅く帰宅する家族が、早寝の家族の睡眠を妨げないために、気を使わなくてはならない間取りであれば、長年に渡って、ストレスなく暮らすことはできないでしょう。
平屋であれば、水廻りと寝室の位置はできるだけ、遠くに配置する、2階建てであれば、浴室やキッチンの真上に寝室を配置しないなどの工夫が必要です。
■ 来客時の家族の行動に関する考え方
独立した客間を作らない間取りでは、リビングでお客様を迎えると思います。
ここ数十年の主流は、リビングとダイニング、キッチンが繋がっている間取りで、独立した客間は造らないケースが多いです。
さらに、リビングは玄関と直結している間取りがほとんどです。
このような間取りでは、多くの場合、家族がリビングを通って、自分の部屋に行くという動線が作られます。
家族間の自然な触れ合いが生まれる暖かい間取りです。
家族が出かけたり、帰宅したりした時に、常に、「行ってらっしゃい」「お帰りなさい」と声がかけられます。
ただし、その分、お客様の多い家族の場合、来客時に、家族が自由に行動できないという問題が起こりやすくなってしまいます。
リビングを通らないと玄関に行けず、出かけにくい、飲み物を取りにキッチンに行きたいけれど、行きにくい…というような状況になることがあるからです。
その為、リビングを通ってそれぞれの居室に行く、リビングの奥にダイニングキッチンがあるというような間取りで、独立した客間を作らない場合、来客時に、他の家族が自由に行動できるような動線が求められます。
玄関からリビングへ動線、階段の位置を工夫する、ダイニングとリビングの間に、来客時には閉められる引き戸を設置するなど、暮らし始めてからの家族の行動を想定すれば、よりよい間取りが見えてきます。
冷暖房に頼り過ぎずに快適な室内環境を作る間取り
家の中の温度や湿度、明るさなどの環境は、陽射しと風に大きく影響されます。
陽射しと風を有効に活用できる家は、最小限の冷暖房で、心地よく暮らせる省エネ住宅でもあります。
その為には、四季折々の陽射しや風の変化に合わせて、暖かさ、涼しさ、明るさを採り入れられる間取りにしなくてはなりません。
冬には、太陽の光を採り入れ、夏には、直射熱を遮る間取り
夏には、涼しい風を採り入れ、冬には、冷気を遮る間取り
そして年間を通して、昼間の時間帯には、照明をつけなくても、十分に生活できる明るさを維持できるだけの陽射しを採り入れる間取り
このような間取りが、夏は涼しく、冬は暖かく、明るい光と風に満ちた家を造ります。
自然のエネルギーを活かせる間取りは、無駄な電力を節約できます。
周辺の環境や、家の向きに合わせて、
■ 軒の出を深くする
■ 庇をつける
■ 吹き抜けを作る
■ 最適な窓の位置とサイズ、開閉方法を選ぶ
■ それぞれの部屋に2方向に風が通る窓やランマを作る
■ リビングへの熱や冷気の流入を抑えられる造りの玄関にする
■ 窓の外の樹木には、落葉樹と常緑樹を効果的に組み合わせる
などの方法で、パッシブデザインの家が実現します。
柔軟性のある間取り
子育て中には、子供が独立するまで、子供の成長に合わせて、家族の生活は変化し続けます。
子供が増えれば、複数の子供部屋が必要になるかもしれません。
子供が独立すれば、子供部屋は必要なくなります。
家族の誰かがけがや病気で車いすを使う生活になれば、バリアフリーにしなくてはなりません。
このような変化のたびに、ちょっとしたリフォームで、暮らしやすい間取りに替えられるような間取りが、柔軟性のある間取りです。
家を建て、子育てをし、子供が成長し、自分たち夫婦が高齢になっても、快適に暮らせる間取りの家である続けるためには、柔軟性のある間取りが大切です。
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家づくりの基礎は、家族です。
それぞれの家族が持つ理想の家族の在り方、暮らし方が叶う間取りの家で、新しい生活が始められるよう、田畑工事がお手伝いいたします。
浜松で家族の暮らしに寄り添った自然素材の家を造る工務店
田畑工事は、「ご家族が生涯を通じて、健康・快適に暮らせる住まい」という創業以来の想いを基に、家づくりをしています。
自然素材で建てられた家、一世代だけで終わる家ではなく、子や孫の代まで、心地よく暮らせる家、家族それぞれのライフスタイルに寄り添った家をお考えであれば、ぜひ田畑工事のモデルハウス見学や家づくり相談においでください。