サプリメントを摂ったり、ジョギングをしたりして、健康に気を使う人は少なくありません。
人工的な添加物の少ない食品や、国産の野菜を選ぶなど、食材に注意を払っている人もいます。
それでは、家に関してはどうでしょうか?
家は、働いている時間以外には、ほとんどの時間を過ごす場所です。
子供が就学するまでの母子は、1日中家にいる日もあります。
そんな家の中の環境に大きな影響を与える要因の中に、建材と設計があります。
外観デザインは、見た目の良さに繋がるので、外部に対して家族のイメージを作り、家族には、その家に住む喜びを与えてくれます。
間取りは、居心地の良さ、家の中での動きやすさを与えてくれます。
季節の変化に応じた適切な室温と湿度は、室内環境を調え、快適な暮らしを与えてくれます。
適切な室温と湿度が保たれ、空気がきれいな室内環境は、私たちの健康維持に役立ちます。
そして、この室内環境の調整には、自然素材とパッシブデザインが、大きな助けになります。
内装に自然素材が使われた室内の環境
内装に使われる自然素材のほとんどは、昔から日本で親しまれてきた素材です。
天井、鴨居や床柱などの造作には木材、壁には、和紙、漆喰や珪藻土などの塗り壁、床には、畳や木材、障子や襖には和紙などが使われますが、これらの素材はすべて、自然素材です。
これらの素材には主に3つの良さがあります
空気中に、有害な物質を作り出さないことと、湿度を調整すること、そして経年変化の違いです。
内装の使われる建材の中には、自然素材の他に、塩化ビニル樹脂や集成材などの化学物質や接着剤を使った新建材もあります。
新建材は、自然素材と比べると、コストが抑えられ、カラーバリエーションが豊富なので、使いやすい素材が多くあります。
また、汚れにくく、手入れが簡単であることも、人気の理由です。
ただ、このような素材の中には、化学物質によって、空気中に有害な物質を紛れ込ませてしまう製品もあります。
きれいな空気
現在は、健康、環境保護に配慮した原料使用が義務付けられているので、数年前に比べれば、シックハウス症候群などは少なくなっています。
しかし、わずかであっても、暮らしに影響を与えることがあります。
「自然素材の家に住みだしてからは、以前住んでいたマンションで感じていた、刺激性のあるニオイが感じられなくなった」
「子供のアレルギー症状が改善された」
自然素材の家で暮らすようになった家族の中には、このような感想を持つ人もいるほどです。
適度な湿度
自然素材の持つ調湿性は、季節の変化に応じて、室内を常に適切な湿度に維持させます。
木材や畳、塗り壁などには、空気中の水分を吸収したり、放出したりする性質があるからです。
湿度が高い日々が続けば、カビが発生します。
カビが発生すると、カビを食べるダニが増殖します。
カビやダニが増えると、アレルギーを発生させることがあります。
自然素材の家に暮らすようになってから、子供のアレルギーが改善されたというケースの原因は、ここにもあります。
また、空気が乾燥すると、髪、肌、粘膜も乾燥します。
髪がぱさぱさになったり、肌や喉の粘膜が炎症を起こしてしまったりすることもあります。
しかし、適切な湿度に保たれている室内であれば、このような現象を抑えられます。
経年変化
内装材は、外壁ほどではありませんが、紫外線によって経年変化します。
プラスチックやビニルなどの素材は、経年劣化し、褪色したり、破けたり、ひびが入ったりします。
プラスチックの表面に、木目調のシートを貼り付けた建具は、表面が剥がれてきてしまうこともあります。
一方、木材や塗り壁には、そのような経年劣化がありません。
もちろん、紫外線による経年変化はあります。
木材は、光を浴びると表面の色が変化するからです。
淡い色調の樹種は深い色合いに、暗い色調の樹種は、明るい色合いに変化していき、味わいが増します。
元の色に戻したければ、表面を削ると、新築時の色に戻ります。
また、塗り壁には、静電気を起こさないので、埃を寄せ付けないという性質があります。
その為、クロスを貼った壁のように、経年劣化によって、汚れたような色合いになることがありません。
一方、木材や、塗り壁と違って、畳には寿命が来ます。
ただし、裏返し、表替え、畳床替えといったお手入れをしていれば、紫外線による変色を気にせず、清潔で美しい色合いを保ったまま50年以上使えます。
パッシブデザインを設計に採り入れた家の室内環境
室内環境に大きな影響を与えるのは室温です。
冬の寒さ、夏の暑さを快適な温度にするためには、冷暖房が必要です。
特に都市部では、コンクリートに覆われた部分が多いことや、地球規模で環境が変化していることから、昔の暮らしよりさらに、温度の幅が広がっています。
しかし、だからと言って、無駄に冷暖房を使う家庭が増えれば、エネルギーの使用量が増加し続け、さらに地球環境の悪化へと繋がってしまいます。
そこで見直されているのが、昔ながらの日本の家の造り方の知恵です。
昔の日本では、自然と融合する暮らし方をする家が、家の作り方の基本でした。
太陽の光と風、家の周囲の樹木を利用して、夏は涼しく、冬は暖かい家の中の環境を調える家づくりです。
一般的には、パッシブデザインと言われるこの手法を、採り入れた設計の家では、自然の力を利用して、最小限の冷暖房で、快適な室温を維持できます。
パッシブデザインの夏の暑さへの働きかけ
直射熱による高い外気温の影響が、できるだけ家の中に及ばないようにするため、軒や庇で太陽光を遮り、室内への熱の流入を抑えます。
ここ数年来、コスト削減のために、軒や庇のない箱形の家が増えましたが、日本の家には昔から、軒や庇がありました。
夏の陽射しはもちろんのこと、窓や玄関、外壁に当たる雨風からのダメージを減らす役目もします。
家の向きと、季節ごとに変わる太陽光の長さと入る時間によって、計算された軒は、室内への夏の強い太陽光を遮るとともに、雨風による外壁の劣化、窓や玄関から降りこむ雨を防ぎます。
また、直射熱が強く入る窓の前には、樹木を植え、日陰を作ります。
窓の位置は、風の性質に合わせて、風が通りやすい位置に設置します。
空気には、低い位置から高い位置へ移動する性質があるので、高低差をつけるということの他に、地域による風の性質にも目を向けます。
壁に沿って、風が通り抜けていってしまうような環境にある窓であれば、窓の開閉方法にも工夫をします。
パッシブデザインの冬の寒さへの働きかけ
太陽の陽射しで、暖かく過ごせる環境を作るため、家に高い断熱性能を持たせます。
その断熱性能を無駄にしないためには、蓄熱性の高い木材や、畳などの素材と、断熱機能の高い窓が役立ちます。
また、夏に強い日差しを遮った樹木が、冬の暖かい陽ざしを妨げないよう、冬の陽射しを採り入れたい窓の前には、落葉樹を植えます。
パッシブデザインの設計は、地域の気候と、住宅の周辺の環境に合わせてすることが大切です。
夏は強い日差しを遮り、冬は暖かい陽ざしを家の奥まで届かせる、
気候の良い季節に、気持ち良い風が吹き抜ける家にするためには、
地域の気候や、地域の風の性質、住宅の周辺の状況に合わせた窓の位置、軒の深さ、家の向きが求められるからです。
全く同じ家を建てても、地域によって、快適な暮らしができる家になることも、暮らしにくい家になることもあるのです。
その為、地域の気候を熟知した設計、周辺の環境に合わせた設計が、非常に大切です。
地元密着型の工務店は、地域の気候、風の性質、土壌の質などに対する深い知識を持っているので、上質なパッシブデザインの家を建築します。
浜松で家族の暮らしに寄り添った自然素材の家を造る工務店
田畑工事は、「ご家族が生涯を通じて、健康・快適に暮らせる住まい」という創業以来の想いを基に、家づくりをしています。
自然素材で建てられた家、一世代だけで終わる家ではなく、子や孫の代まで、心地よく暮らせる家、家族それぞれのライフスタイルに寄り添った家をお考えであれば、ぜひ田畑工事のモデルハウス見学や家づくり相談においでください。