手抜きをせずに、食事の支度と後片付け、洗濯、掃除などの毎日する家事にかかる時間を、短くしたいと思われている方は、多いのではないでしょうか?
夫婦共働きをしている家庭、子育て中の家庭では、家事の効率が上がらないと、部屋が片付かない、出かける時間までに食事の後片付けが終わらない、洗濯物を干す時間が無くなり、帰宅後干している…というような状態になってしまいます。
家事の効率を上げるためには、家事動線に配慮された間取りと、動線にあった収納が必要です。
家事効率を上げるキッチンの造り方
回遊できるアイランドキッチンは、最も作業効率が上がるキッチンレイアウトです。
家族が調理や配膳のお手伝いをする場合も、お互いに移動がしやすいという良さもあります。
ただし、キッチンの面積によっては、使いにくいキッチンになったり、ダイニングやリビングが狭くなってしまったりします。
アイランドキッチンは、キッチン自体が、その他のタイプのキッチンより大きいからです。
一般的なⅠ型キッチンの標準的サイズは、2.5m×0.6mですが、アイランドキッチンの標準的なサイズは、2.5m×0.9mです。
加えて、左右と、前後に通路が必要です。
一人で調理する場合に必要な通路は、80cm~90cm程度ですが、複数人で調理する場合には、100cm~120cm必要です。
このすべての方向に十分な通路があることが、アイランドキッチンの回遊できる良さを確保します。
複数人で、ストレスなく移動できるアイランドキッチンにするためには、キッチンのサイズと通路の幅を併せて、6畳程度の広さが必要だということがわかります。
もし、キッチンに使える面積がそれより狭ければ、せっかく回遊できるようにアイランドキッチンを選んでも、スムーズな移動ができません。
それでは家事効率を上げることに繋がりません。
キッチンに使える面積が6畳以下の場合には、壁付きキッチンが最も床面積を倹約できます。
キッチンとダイニングテーブルの間の通路だけで済むからです。
キッチンの床面積を3畳程度に抑えられます。
調理中には、ダイニングテーブルを調理台としても活用できて便利です。
ただ、壁付キッチンの場合には、せっかくリビングダイニングと繋げて並べてあるのに、キッチンで作業中の人は、リビングにいる家族とコミュニケーションがとれない、子育て中には、キッチンでの作業中、子供の見守りができない、来客の際には、リビングからキッチンが丸見えになってしまうなどの問題点が出てきます。
このような場合には、同じⅠ型キッチンでも、壁に向けず、対面式に配置する方法があります。
この場合はキッチンのサイズ+壁とキッチンの間の通路+キッチンの片側側面の通路を併せて、4,5畳程度必要です。
アイランドキッチンよりは、両側から片側側面だけの通路になるため、移動に制限がかかりますが、通路の幅を確保できれば、通路の幅を狭めてアイランドキッチンにするよりは、遥かに作業効率の上がるキッチンにできます。
どうしてもアイランドキッチンにし、リビングの広さも確保したい場合には、リビングダイニングにダイニングテーブルのセットを置かず、ダイニングとしても使えるソファとテーブルを置くという選択肢もあります。
ただし、この方法は、大人だけの暮らしならば問題ないのですが、子育て中の場合、姿勢よく食事をするという躾が、しにくくなる恐れがあります。
キッチンレイアウトの選び方の他に、キッチンでの作業効率を上げるためには、収納の設け方も大切です。
キッチンに物が溢れてしまうと、作業効率が低下するからです。
キッチンでの作業動線に沿った位置に、買い置きの食料品、調理器具、食器、調理家電などを収められるスペースが必要です。
収納計画を立てる際には、使用頻度の高いものと低いものに分ける、それぞれのサイズを測るなど、収める物を具体的に挙げていくことが大切です。
使用頻度の低いものは奥に、高いものは手前に置けるよう、それぞれのサイズに合わせた棚を作るなど、どこに何を入れるか具体的に考えながら、収納計画を進めましょう。
また、調理家電を置く位置、使う位置に合わせたコンセントも、作業効率に影響します。
炊飯器、レンジなどの固定しておく調理家電用のコンセント、ハンドブレンダーなど使う時だけ取り出す調理家電を、使う場所に合わせたコンセントの両方が必要です。
固定する調理家電を、オープンタイプの収納スペースに置く予定であれば、あらかじめ位置を決め、コードの長さに合わせて、コンセントを設置すると、すっきり納まります。
洗濯動線は移動を少なくする工夫が必要
朝食の支度や、お弁当を作りながら、洗濯をするという人は多いのではないでしょうか?
その為、キッチンから、洗濯機の置いてある場所、洗濯機の置いてある場所から洗濯物を干す場所への移動がしやすいことが、家事効率を良くします。
洗面所に洗濯機を置く予定であれば、洗面所とキッチンの動線、加えて、平屋の場合は、洗濯物を干す庭への動線、2階建ての場合には、階段への動線が、どれも繋がって回遊できる間取りが、移動のしやすさを生みます。
床面積に余裕があれば、洗濯室を設けるという方法も、洗濯に関わる移動を少なくします。
独立した洗濯室にすることもできますが、洗面所を広くし、洗面所内に洗濯物を干すスペースと、収納スペースを設けるという方法もあります。
洗濯物を干すスペースは、洗濯物を取り込んだ後には、アイロンかけなどをするスペースとしても活用できます。
共働きで、どうしても夜干しが多くなってしまう場合には、部屋干しファンを設置すると、換気扇を回しておけば、窓を閉めたままでも、朝までに洗濯物が乾きます。
収納スペースには、家族の洗面用品、掃除用具の他に、下着やパジャマなど、入浴後に使う衣類も収められる大きさがあると、洗面所がすっきり片付き、洗濯に関わる家事の効率も上がります。
平屋の場合、洗面所に続く土間と勝手口を作り、洗濯物を干すスペースとして活用するのも良い方法です。
玄関の造り方
玄関はお客様が、初めて目にする我が家の場所です。
常にきれいにした置きたい場所ですが、家族の人数が多いと、片付きにくくなる場所でもあります。
ただ、玄関の造り方によって、それほどの家事負担をかけなくても、すっきり片付く玄関が実現します。
来客用動線と、家族用動線+収納スペースがある玄関は、帰宅した家族が、外出で着用していた上着や、荷物をリビングに持ち込まないので、リビングが散らかりません。
その結果、物をどけながら掃除をする、という家事負担が、大幅に減ります。
玄関自体も、家族用動線にある収納に、コートや靴以外に、スポーツ用品やベビーカーを収められるので、すっきり片付きます。
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