家づくりの計画のきっかけは、子育てというご家族は多いと思います。
子供をのびのびと育てたい、安全な環境で子育てをしたいという想いは、すべての親御さんが持っている子育てへの希望です。
その希望を叶える要素として、家は大きな役割を果たします。
敷地周辺の環境、見守りのしやすい間取り、家の中での事故を防ぐ工夫など、子育て住宅に必要な条件は多々あります。
そんな中で、子供部屋を造るか造らないか、造るとしたらどのような広さにするべきかなど、子供部屋に対する迷いもあるのではないでしょうか?
子供部屋について、様々な角度から考えてみましょう。
子供部屋は必要ですか?
子供が子供部屋を使う期間は、小学校高学年から独立までの期間です。
その期間に子供部屋の使い方は、子供の年齢によって変化します。
小学校低学年までは、子供部屋を与えられていたとしても、朝の着替えから就寝まで、リビングで過ごす子供がほとんどです。
宿題や読書をする場所もリビングです。
子供部屋は、勉強道具や衣服を収納する場所として使われています。
小学校高学年になると、子供部屋で就寝するようになりますが、その他の家の中での行動パターンは、ほぼ低学年の時と同じです。
中学生になると、朝の着替えも子供部屋でするようになりますが、やはり家のいる時間のほとんどはリビングで過ごしています。
勉強をしたり、スマホを使ったりする場所も、リビングです。
高校生になると、やっと自分の部屋の方が勉強しやすいと感じるようになり、スマホも子供部屋で使っています。
寛ぐ場所はリビング、勉強やスマホは子供部屋というような家の中での過ごし方です。
子供たちがリビングで過ごす理由の中で、最も多い理由は、すべての年齢を通じて、家族がいるからというものです。
広々として居心地が良い、食べ物や飲み物を取りに行きやすいといったことも、リビングを居心地よくしているようです。
では子供部屋は、必要なのでしょうか?
この疑問に対して、ほとんどの子供は、一人で考える時間を持てる、自分の好みに合わせた部屋にできるなどの理由で、子供部屋はあった方が良いと感じてします。
それでは、家族全体で考えた時、子供部屋にはどのような役割があるでしょうか?
リビング中心の生活であっても、勉強道具や子供の衣服は子供部屋に収納するので、リビングが散らからない、子供が自分の持ち物を自分で管理できるという良さがあります。
これは、子供部屋が収納場所としても役割を担っているということです。
友達が来た際には、子供部屋で遊ばせることができ、リビングはいつも通りに使えるという良さもあります。
これは子供部屋が、子供の客間としても役割もしているということです。
可変性に配慮した子供部屋の造り方
欧米では子供は生まれた時から、個人として扱い、独立させて育てるという考え方があります。
その為、誕生した時から、子供たちは自分の部屋を持っています。
一方、日本では、就学までは常に見守って育てるという子育ての方法が一般的です。
その為、子供が小さい時には川の字になって就寝するという家族も少なくありません。
日本で子供部屋が知られるようになったのは、西洋の文化が広がった明治時代です。
ただし、その頃には、親が常に見守るという子育て観から、庶民の間に、子供部屋が広まることはなかったそうです。
子供部屋を備える家が増えたのは、それまでの家を継ぐという職業の選び方の他に、学歴が職業の選択肢を拡げるという社会的な変化が広がった大正時代です。
勉強に集中できるようにと子供部屋を持つ家が増えていきました。
今の時代においても、子供が集中して勉強できる環境を作ってあげたいと考える親御さんも多いと思います。
ただ、子供たちのライフスタイルを考えると、子供部屋で勉強をしだす時期は、高校生からというケースが多く見受けられます。
それを考えると、勉強部屋や、一人になる時間としての使い方をする子供部屋は小学校高学年になるまでは、それほど必要ではありません。
それまでの期間は、リビングと繋げて、遊んだり、家族で就寝したりするスペースにしておき、子供が成長した時点で、間仕切りで子供部屋として独立させるという考え方があります。