窓と室内環境…断熱性の関係
窓は、陽射しを採り込んで、明るい室内を作ります。
窓は風を採り込んで、空気を動かし、新鮮な空気に満ちた室内にします。
しかし、同時に、冷暖房の効果を低下させたり、外部からの視線が気になる環境を作ったりしてしまうこともあります。
屋根、壁、床には、断熱性を高めるための工夫が駆使されています。
また、床暖房や、空調などの設備は、季節による温度の変化に応じて、暖かさ、涼しさを作り出します。
窓は、それらの断熱効果を活かすこともできますが、台無しにしてしまうこともあります。
窓は、屋根や壁、床よりも面積が狭く、屋根より太陽の熱から、床より地面の冷気から遠い位置にあります。
にもかかわらず、窓は、家の暑さ寒さに大きな影響を与えます。
その理由は、窓が屋根や壁、床よりも、寒さと暑さを採り込み、涼しさや暖かさを逃がしてしまう場所だからです。
ここ数十年で、窓の性能は大きく進化し、最近建築されたほとんどの住宅では、複層ガラスが使われています。
複層ガラスは、2枚のガラスが組み合わされているガラスで、昭和~平成の中頃までに、建てられた住宅に使われていた、1枚ガラスの窓より、はるかに高い断熱性能を持っています。
浜松は、比較的温暖な気候に恵まれているので、北海道などの極寒の地域で、使われるような高断熱機能は必要ありません。
それでも、複層ガラスだけでは、十分な断熱機能を持つ窓とは言えないのです。
その理由はサッシにあります。
窓は、ガラスとサッシの組み合わせです。
せっかく複層ガラスを選んでも、アルミサッシとの組み合わせを選んでしまうと、窓の断熱性が、低くなってしまいます。
なぜなら、アルミサッシには、熱を伝えやすいという性質があるからです。
一方、サッシに樹脂が使われている窓は、熱を伝えにくい性質を持っている樹脂サッシが、複層ガラスの断熱性を妨げず、窓の断熱機能をより高めます。
サッシもガラスも、共に断熱性が高い窓は、結露の発生も抑えられます。
田畑工事では、複層ガラスの中でも、高い断熱性を持つYKKAPのAPW 330という樹脂窓を基本として採用しています。
* YKKAP APW 330の特徴 *
Low-E複層ガラスと樹脂サッシが組み合わされた樹脂窓です。
Low-E複層ガラスは、通常の複層ガラスより、高い断熱性と付加機能を持つガラスです。
Low-E複層ガラスは、2枚のガラスのうちの1枚に、Low-E金属膜がコーティングされています。
複層ガラスは、2枚のガラスの間の空気層が、熱の伝わりを抑えますが、Low-E複層ガラスはそれに加えて、Low-E金属膜が、より熱の伝わりを抑えます。
太陽の直射熱が強く入り込み、夏の暑さが厳しい部屋には、Low-E金属膜が、室外側にコーティングされた遮熱タイプ、日当たりが悪く、冬場に冷え込む部屋には、Low-E金属膜が、室内側にコーティングされた高断熱タイプと、窓の向きに応じて、タイプを選びます。
トップライトと吹き抜けを組み合わせた場合、夏の午後は、冷房が効きにくくなる恐れがありますが、遮熱タイプのLow-E複層ガラスを採用すると、涼しく過ごせます。
浴室やトイレなど、陽射しが入る時間が短い場所は、高断熱のLow-E複層ガラスを採用すると、冬場の冷え込みを抑えられます。
また、結露の発生も大幅に軽減できます。
アルミサッシと複層ガラスの窓の場合、サッシ部分の結露の発生は抑えられません。
しかし、APW 330は樹脂サッシの窓です。
樹脂は、アルミの約1,000分の1しか熱を伝えません。
その為、結露が抑えられるのです。
さらに、窓自体が冷えないので、暖房をしているのに、足元が冷えるという状態が防げます。
足元が冷える原因は、窓から入り込んだ冷気が、壁を伝って床に降り、拡がってしまうコールドドラフトという現象が起こっているからです。
断熱性の高い窓のある部屋では、このような状況にならず、最小限の暖房で、暖かい室内が維持されます。
窓と室内環境…風通しの関係
風がある日なのに、風が入らない部屋の原因は、窓の位置と窓の開閉方法です。
風には通りに道が必要です。
窓が一つしかない部屋には、風が通りません。
対面の壁に窓があることが必要です。
対面の窓が、高さの違う窓であれば、さらに風が通りやすくなります。
また、窓を設置する壁の面と、周辺の環境との位置関係も重要です。
その地域の気候を熟知している工務店は、風通しの良い窓の位置を知っています。
ただ、周辺の環境や、敷地の形状によっては、自然に風が入ってくる窓を、設置できないことがあります。
隣家との距離が近い壁と、公園に面している壁など、環境の違いによって、風の入り方が変わってくるからです。
そのような場合、壁に沿って、流れて行ってしまう風を取り込む為に、開閉方法を工夫し、縦すべり出し窓を採用します。
縦すべり出し窓は、外に窓を押し出して開く窓です。
ガラス面に当たった風が、室内に流れ込んできます。
その為、引き違い窓では風通しを期待できなかった部屋を、風通しの良い部屋にできるのです。
窓と内装・外観・間取りの関係
窓枠の質感は、内装と外観に影響を与えます。
天井、壁、床に無垢材を作った内装には、自然な風合いの、木目調の窓枠が調和します。
白いクロスを使ったモダンな内装には、濃い色の窓枠がアクセントになる場合もあり、淡い色の窓枠が、優しい雰囲気を作り出す場合もあります。
APW 330には、淡い色から濃い色まで、内装に合わせて選べるカラーが4色あります。
また、窓のサイズ、形状、並べ方、窓枠の色は、住宅の外観デザインに大きく影響します。
窓によって、雰囲気の良い家にも見えることもあり、高級な建材を使った家であるにもかかわらず、魅力のない家に見えることもあります。
APW 330には、基本の4色の他に、まるで天然木のように見える木目仕様タイプもあり、外観デザインの雰囲気に合わせて、好みの窓枠が選べます。
日当たりや風通しを良くすることだけを考えて、窓の位置やサイズを決めてしまうと、家が完成してから、家具の配置がしにくくなってしまうことがあります。
置きたかった家具が、窓と被ってしまう、窓と家具の間に通行できるだけの幅が確保できないなどの問題が起こるからです。
間取りを決める際には、家具選びと並行して間取りプランを進めると、デッドスペースが生まれず、効率の良い間取りが出来上がります。
その際に、窓のサイズと位置も、家具を考慮に入れて決めることが大切です。
ここは、掃き出し窓ではなく、腰高窓にしておけば、この家具が置けたのに…というような後悔を避けられます。
家づくりプランの際には、窓の位置とサイズ、開閉方法、機能性も、考えることが大切です。
田畑工事では、窓に関しても、詳しく説明いたします。
外観と内装をより見栄えよくする窓、室内環境をより快適にする窓のある注文住宅を、実現させましょう。
浜松で自然素材の家を造る工務店
「ご家族が生涯を通じて、健康・快適に暮らせる住まい」という創業以来の想いを基に、家づくりをしています。
自然素材で建てられた家、一世代だけで終わる家ではなく、子や孫の代まで、心地よく暮らせる家、家族それぞれのライフスタイルに寄り添った家をお考えであれば、ぜひ田畑工事のモデルハウス見学や家づくり相談においでください。