間取りプランは、暮らしやすい家を実現する為、家族の動線や窓の位置、家具や家電の配置などをシミュレーションしながら、作成が進められると思います。
その際に、抜け落ちてしまうことの多い項目として、コンセントの位置と数が挙げられます。
しかし、コンセントの位置を決めていく理想のタイミングは、間取りプラン作成時です。
間取りを作成する際には、動線、採光、採風などに配慮して進められていきますが、その際にコンセントの位置についても決めていくことが大切です。
コンセントの配置計画が不十分だと、家が完成し、暮らし始めてから、必要な位置にコンセントがない、コンセントが足りないことに気づくというような状況になってしまいます。
その結果、延長コードやテーブルタップを使うことになり、コードがゴチャゴチャする、掃除がしにくい、足を引っかけやすく危ないといった問題が発生してしまいます。
コンセントの数は、2畳に対して、差し込み口が2つついているタイプが最低でも1つ必要です。
部屋の面積に応じて、2畳ごとに、対角線上にコンセントを配置しておくことが基本ですが、家具や家電の配置、コンセントの用途によって、使いやすいコンセントの位置と数は変わります。
視覚的にも、コードが見えると、インテリアの雰囲気を壊してしまいます。
埃が溜まりやすくなり、火災が発生する恐れもあります。
コンセントを、使いやすい配置にするためには、何から考えていけばよいのでしょうか?
部屋別のコンセントの配置
自然素材に包まれた空気環境が良い家 袋井市 M様邸
暮らしやすさに影響するコンセントの位置と数、加えて最適なコンセントの種類を、部屋別に確認していきましょう。
リビング
リビングは、家族が長時間を過ごす場所なので、様々な家電製品を置くはずです。
リビングを客間としても使う間取りの場合には、お客様をお迎えする場所にもなるので、家電製品がたくさん置かれていても、すっきりと見栄えの良い部屋にしておかなくてはなりません。
その一つ一つの配置とサイズを想定して、コンセントの位置を割り出していきます。
テレビ回りはもっとも、コードがゴチャゴチャしやすい場所です。
家族構成や、趣味によって、使われる家電は異なりますが、テレビの他に、ゲーム機、録画機器、オーディオ機器、無線LANのルーターなどを置くのではないでしょうか?
このような場所には、マルチメディアが便利です。
1ヵ所からまとめて配線できるので、コードがゴチャゴチャにならず、すっきりと収められます。
インターネット、テレビ、電話用のモジュラジャックがついたコンセントです。
壁面につけるタイプと、床につけるタイプがあります。
このコンセントを書斎、子供部屋、寝室にもつけると、家庭内LANが構築できます。
加湿器や除湿器、扇風機など、季節によって、リビングに置く家電もあります。
家電や家具の配置を考えた上で、季節家電を置く場所を想定し、床用コンセントをつけると、コードが邪魔になりません。
床用コンセントとは、使わない時は床をフラットに維持できるので、邪魔になりません。
使う時にだけ、コンセントをポップアップさせるタイプと、蓋を開けるタイプがあります。
ダイニングキッチン
調理家電の中には、据え置きする家電と、必要な時に使う家電があります。
据え置きする家電には、冷蔵庫、電子レンジ、オーブントースター、炊飯器などが挙げられますが、それぞれのサイズと、配置を考えた上で、コンセントを設置します。
この中で、冷蔵庫や電子レンジは、掃除の度にずらすことができないので、埃を取りやすい位置であることも、配慮します。
必要な時に使う家電のうち、ハンドミキサー、フードプロセッサーなどは、作業がしやすい位置に、コーヒーメーカー、ホームベーカリーなどは、調理の邪魔にならない位置にコンセントを設置します。
ダイニングテーブルでホットプレートを使う場合には、ダイニングテーブルの下に、床用コンセント、またはダイニングテーブルのそばの壁にマグネットコンセントを配置します。
マグネットコンセントは、足に引っかかってしまった時、すぐに外れるコンセントです。
家の中での子供や高齢者の事故には、コードの足を引っかけて、転倒してしまうという事故が少なくありません。
ダイニングテーブルに載ったホットプレートのコードに足を引っかけてしまえば、やけどなども起こってしまいかねませんが、マグネットコンセントならすぐ外れるので安心です。
子供部屋
家を建てる時は、まだ子供が就学前というご家族では、中学生、高校生になった時の子供部屋の使われ方については、想像しにくいと思います。
小学生のうちは、リビングで勉強する子供、中学生までは、スマホもリビングで使う子供が多いとは言っても、中学生、高校生になれば、部屋で勉強する時間も増えます。
そうなってからコンセントを増設しなくても済むように、スタンド用のコンセント以外に、勉強机とベッド、収納の位置に合わせて、PC用やスマホ充電用のコンセントも設置しておきましょう。
洗面所
洗面所には、ドライヤーや電動シェーバー用のコンセントが必要です。
家族構成によっては、朝の支度の為、洗面所はラッシュになってしまうことがあります。
その回避策として、洗面ボウルが2つついた洗面台を選ぶ場合には、コンセントの数も増やしましょう。
造作洗面台にする場合には、収納内部にコンセントを設けると、電気歯ブラシの充電時にコードは邪魔になりません。
洗濯機を設置する場合には、洗濯機用のコンセントも必要です。
また、洗面所を洗濯室としても活用する予定であれば、アイロンをかける位置にもコンセントをつけておきましょう。
収納スペース
玄関やリビング、寝室などにウォークインタイプの大型収納を設ける場合、照明だけではなく、コンセントも必要です。
収納内にコンセントがあると、お掃除ロボットなど、充電式の掃除機の充電が収納スペース内でできます。
また、高い位置につけておくと、収納内の荷物が増えてきて、照明の明かりが届きにくくなった時に、照明を増やすことができます。
使用目的に合わせたコンセントの位置や種類
家電には、使用目的によって、冷蔵庫のように、常にプラグを挿しておくコンセントと、掃除機、エアコン、スマホ充電など、使用する時だけプラグを挿すコンセントがあります。
このうち、使用する時だけ挿すコンセントについて考えてみましょう。
掃除機
掃除機のコンセントは、家中に必要です。玄関、廊下、リビングなどの各居室、洗面所、トイレなど、掃除機のコードが届く距離ごとに、コンセントを設置します。
掃除機のコンセントの位置は、床から30~40センチが使いやすい高さです。
ただ、この高さは、子供に手が届く高さなので、コンセントへのいたずらでの事故を防ぐ為には、カバー付きコンセントが有効です。
また、室内の照明スイッチや、廊下や階段に設置する夜間用の足元灯には、コンセント付きのタイプがあるので、そのコンセントを掃除機用のコンセントとして使うこともできます。
スマホ充電
埋込充電用USBコンセントを設置しておくと、アダプタなしでスマホの充電ができます。
家族が多い家では、充電器が何台も必要ですが、それぞれの居室にUSBコンセントがあれば、リビングは充電渋滞にならずにすみ、掃除機のコンセントとしても使えます。
エアコン
エアコンを使わない季節には、プラグを抜いておくと、節電できますが、コードがぶら下がってしまうので見栄えが悪くなります。
プラグを抜かずに、電源のオンオフができるスイッチ付きコンセントにすると、手軽にオフにできるので、見た目も悪くならず、待機電力も節約できます。
布団乾燥機
布団乾燥機の機能の中に、靴を乾かすという機能があります。
この機能を使って、雨の日や子供の運動靴を洗った後に、靴を乾かす場合、玄関にコンセントがあると、靴を室内に持ち込まず、玄関土間で乾燥させられるので、非常に便利です。
イルミネーション
庭で、クリスマスのイルミネーションを楽しみたい場合には、屋外に防水コンセントが必要です。
屋外の防水コンセントには、外壁に設置する方法と、独立したコンセントを設置する方法があります。
屋外の防水コンセントは、この他に庭でのBBQや、高圧洗浄機を使っての洗車、電気自動車の充電などに使えます。
たかがコンセント、されどコンセントです。
もちろん、暮らし始めてから、コンセントの位置を動かしたり、増設したりできないわけではありません。
しかし、せっかくのきれいな新築の内装なのに、クロスを剥がしたりしなくてはならない場合もあり、余分な費用を使うことにもなります。
間取りを考える際には、家具と同時に家電の配置とコンセントの位置にも、配慮してプランを進めましょう。
浜松で家族の暮らしに寄り添った自然素材の家を造る工務店
田畑工事は、「ご家族が生涯を通じて、健康・快適に暮らせる住まい」
という創業以来の想いを基に、家づくりをしています。
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