自然素材の家はどんな家?デメリットもある?
自然な風合いと、化学的な物質が使われていない安心感から、自然素材の家は、人気があります。
新築する家には、自然素材を取り入れたいと考える人も少なくありません。
住宅に使われる自然素材には、どのような素材があり、家のどの部分に使われるのか、また、自然素材の持つ良さと、デメリットについて、解説します。
住宅に使われる自然素材
住宅の建築に取り入れられる自然素材は、構造部にも使われますが、内装材としても使われます。
内装材には、インテリア性を向上させる働きと、室内環境を調える働きがあります。
内装材として使われる自然素材は、シンプルで居心地の良い空間、心が落ち着く雰囲気を演出し、室内の湿度を調整するとともに、温度の極端な変化を抑えます。
内装材に使われる自然素材の種類を、使われる部分別に見ていきましょう。
天井に使われる自然素材
天井は、壁や床と違い、自然に視界の中に入ってくる部分ではありません。
しかし、天井は、空間の雰囲気を演出する上で、壁や床と同じくらい、大きな役割を果たします。
天井には、無垢材、紙クロス、織物クロス、漆喰、珪藻土などの自然素材が使われます。
家の造りによっては、無垢の構造材の美しさを活かした天井にも、仕上がります。
内壁に使われる自然素材
インテリア性や使い勝手に大きな影響があるため室内の壁には様々な種類の自然素材が使われます。
それぞれの居室にあった雰囲気を演出する色合いや質感、キッチンや洗面所などの水回りでの使い勝手の良さを、目的に合わせて選べるよう、多様な選択肢が用意されています。
その多様な選択肢の一つが、自然素材です。
壁に使われる自然素材には、無垢材、紙クロス、織物クロス、漆喰、珪藻土、土があります。
床に使われる自然素材
床には、インテリア性以外に、素足で歩いた時の感触の良さ、衝撃の吸収度合い、音の響きなど、使い勝手の良さが求められます。
キッチンや洗面所、トイレなど、常に水を使う場所では、汚れにくさと掃除のしやすさも必要です。
床に使われる自然素材には、無垢材、畳、竹、籐、コルクなどがあります。
内装に使われる天然素材の特徴
天然素材は、化学的な物質が使われていない自然の素材と一括りにされますが、それぞれ、異なった特徴を持っています。
無垢材 (内装全般)
無垢材は、伐りだされた天然木を、板状にカットした木材です。
無垢材にある細胞の管からできた無数の穴には、たくさんの空気が含まれています。
その為、空気の熱を伝えないという性質が、無垢材に断熱作用を与えています。
また、この無数の穴は、空気中の水分が増えると、水分を吸収し、空気が乾燥すると、蓄えていた水分を空気中に放出する働きをします。
この働きが、理想的な湿度の目安となる40パーセントから60パーセントを保ち、快適な室内環境を作ります。
紙クロス (天井・壁)
紙は、セルロースを主成分とし、木材や草から抽出した繊維であるパルプを原料として作られる洋紙と、月桃やコウゾから作られる和紙があります。
具体的なパルプの原料には、針葉樹や広葉樹、ケナフやサトウキビ、古紙、合成繊維があります。
この中で、天然素材の紙クロスの原料となるのは、針葉樹や広葉樹から作られた木材パルプと、ケナフやサトウキビから作られた非木材パルプです。
木材パルプと、非木材パルプから作られた洋紙の紙クロスの特徴は、鮮やかな色あいと、多彩な模様です。
実に多くの色や柄が揃っているので、選択肢に幅があります。
月桃の茎やコウゾ、ミツマタ、ガンピの樹皮から作られる和紙は、ふすまや障子に使われるイメージが強いと思いますが、洋室に使える色や質感の紙クロスもあります。
和紙は、通気性が良い為、湿度が高い日本の住宅に古くから使われてきた素材です。
繊維の隙間から空気が出入りするので、室内の湿度を調節します。
洋紙に比べて、空気を含む率が多いので、高い保温性もあります。
織物クロス (天井・壁)
合成繊維の織物クロスもありますが、自然素材の織物クロスには、綿や麻が使われています。
織り方によって、重厚な高級感や、暖かみなど、異なった質感と雰囲気が生まれることが、織物クロスの特徴です。
また、日差しや照明などの光を吸収する働きがあるので、光の乱反射が抑えられ、目に優しい空間が作られます。
肌触りがよく、通気性、吸湿性があり、丈夫です。
加えて、防音、遮音の効果もあります。
ただ、凹凸部分にほこりが溜まりやすく、汚れが取りにくいという面もあります。
漆喰 (天井・壁)
方解石という鉱物から作られた石灰に、ワラや天然素材から作られた糊を混ぜ込み、ペースト状にしたものを漆喰と言います。
漆喰を塗った壁は、乳白色で、なめらかな質感を持った壁に仕上がります。
仕上げには、滑らかな表面にする方法と、パターンをつける方法があります。
珪藻土に比べて、施工が難しく、左官工の腕の違いで、仕上がりが変わります。
壁に塗られてからも、二酸化炭素を吸収し続けるので、室内の湿度を調える働きをします。
珪藻土 (天井・壁)
プランクトンの死骸が堆積した水中から、とりだされた土を珪藻土と言います。
漆喰と比べて、色の選択肢が多く、ザラっとした質感に仕上がります。
珪藻土には、漆喰より高い調湿性があります。
その他にも、優れた断熱性、耐火性、脱臭効果を持っています。
コルク (壁・床)
コルク樫という樹木の皮を剥がして、乾燥させ、板状にしたものが、コルクです。
コルクから、ワインの栓が作られ、その残りを細かく粉砕し、接着剤で固めて作られるのが、コルクタイルです。
このコルクタイルが、建材として使われます。
コルクには、表面の仕上げに、合成材料が使われたもの、合成の接着剤で固められたものもあります。
しかし、自然素材として使われるコルクには、表面の仕上げには天然油、接着剤には天然の接着剤が使われています。
柔らかく、衝撃を吸収する働きがある、滑りにくい、触れた時にヒヤッとしないなど、小さな子供や、お年寄り、ペットに優しい床や壁に仕上がります。
断熱性や、吸湿性があるので、室内環境を調える働きもします。
竹(床)
水回りには不向きな自然素材が多い中、竹は、水が浸透しにくいので、脱衣室などの水回りにも使えます。
反りにくく、曲がりにくいので、安定性のある素材です。
籐 (床)
水の浸透が少なく、高い耐久性があります。
弾力性があるので、素足での感触も良く、浴室、脱衣所、洗面所などに使われます。
畳 (床)
日本人にとって、最もなじみがあり、使い勝手の良い床材と言えば、畳でしょう。
寝転がった時の感触や、新しい畳の香りには、畳み独特の良さがあります。
和風の住宅にはもちろんこと、フローリングのリビングの一部に、畳みの小上がりを作るなど、洋風の住宅にも、違和感なく溶け込みます。
畳には、断熱性、保温性、調湿機能があり、冬でもヒヤッとしない、梅雨時にもジメジメしない、冬には、カラカラの空気にならないなど、室内環境を調る働きがあります。
弾力性があるので、寝転がった時に気持ち良い、子供やお年寄りが転んでも、衝撃が吸収されるといった特徴もあります。
吸音性、遮音性が高い為、静かな室内になるだけではなく、2階の部屋が、畳敷きであれば、階下に響く音が抑えられます。
自然素材のメリットとデメリット
自然素材の良さは、上記のように、個々の素材によって異なります。
しかし、全般的なメリットとしては、石油由来の化学的な物質が使われていない為、人間の身体に悪影響を与えるリスクが少ない事が挙げられます。
住宅は、長年に渡り、毎日を過ごす場所です。
その場所に、健康を害するような物質が使われていれば、家族の幸せな生活を守ることはできません。
しかし、化学的な物質を使うことによって、汚れにくい素材、水が沁み込みにくい素材、手軽に清潔を保てる素材など、生活を便利にする素材が、出来上がることも事実です。
それらの素材を使った内装材と比較すると、自然素材には、汚れやすい、水が沁み込みやすい、掃除に手間がかかるといったデメリットがあります。
もちろん、適切なお手入れをすれば、自然素材をきれいに維持することはできますし、化学的な物質を使った素材より、劣化の速度が遅く、丈夫で長持ちします。
自然素材の家の暮らしやすさは、快適な室内環境
快適な室内環境は、暮らしやすい家の大切な条件です。
夏は涼しい、冬は暖かい
素足で歩いたとき、夏はさらっとし、冬は暖かみを感じる
光の反射が抑えられるので、目が疲れない
化学物質によるアレルギーが起きにくい
田畑工事ではそんな自然素材を使った住宅を建築しています。
浜松で暮らしやすい注文住宅を造る田畑工事
「ご家族が生涯を通じて、健康・快適に暮らせる住まい」という創業以来の想いを基に、家づくりをしています。
自然素材で建てられた家、一世代だけで終わる家ではなく、子や孫の代まで、心地よく暮らせる家、家族それぞれのライフスタイルに寄り添った家をお考えであれば、ぜひ田畑工事のモデルハウス見学や家づくり相談においでください。