暮らしやすい住宅に必要な条件の一つに、快適な室内環境があります。
日当たりの良さは、冬の室内を暖かくし、晴れた日の昼間には、照明なしで日常的な作業ができる明るさを届けてくれます。
風通しの良さは、室内の空気を爽やかにし、湿度を追い払います。
このような室内環境を、電気やガスにだけ頼るのではなく、太陽や風のエネルギーを利用して、エネルギーを創ることと、エネルギーを無駄に使わない設計の家にすることと、優れた断熱性能がZEHを実現します。
ZEHとは？
Net Zero Energy Houseの略称で、創り出すエネルギーと消費するエネルギーを、プラスマイナス0にする家という意味です。
現在、世界的に、エネルギーを節約しなくてはならない状況にあります。
東日本大震災後の電力需給がひっ迫していることや、石油価格が常に乱高下するという状況にある日本において、日本政府も、エネルギー削減の為の施策を様々打ち出しています。
その施策によって、産業部門でのエネルギー消費量が2割近く減少している中、個人の家庭での最終エネルギー消費量は、増加し続けており、全体の15％程度にも上ります。
この消費量を抑えるため、政府は、様々な施策の中で、個人の住宅に対しても、「2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸建住宅の半数以上で、2030年までに新築住宅の平均でZEH（ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス）の実現を目指す。」という目標を掲げています。
家庭で使われるエネルギーとは、暖房、冷房、換気、照明、給湯に使われる電気やガスです。
もし、夏涼しく、冬暖かい家であれば、最小限の冷暖房で、快適な室温を維持できるので、家庭で使われるエネルギーを抑えられます。
そのような家がZEH（ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス）です。
ZEHの「高断熱基準」とパッシブデザイン
住宅への熱の出入りが、抑えられれば抑えられるほど、断熱性能は向上し、エネルギーを消費せずに、家の中の温度を調えられます。
そして、地域の気候によって、家の中の温度を調える為に、必要な断熱性能は変わってきます。
そこで、ZEHの「⾼断熱基準」は、地域ごとに、外皮平均熱貫流率（UA値）の基準が定められています。
ZEHの基準では、8つの地域に分かれています。
北海道でのZEH基準は0,4ですが、静岡県は、0,6です。
外皮平均熱貫流率（UA値）とは、屋根、外壁、床、窓や玄関といった開口部など、直接大気に接する部分、家を包む部分から、熱が失われる量を示す数値です。
外皮平均熱貫流率（UA値）が低いほど、断熱性の高い家になっていきます。
外皮平均熱貫流率（UA値）を低くするためには、高性能断熱材を使う、日射遮蔽をする、高断熱窓を使うことが求められます。
このうち、日射遮蔽をするという部分に関して、パッシブデザインを採りいれた設計が、非常に役立ちます。
パッシブデザインとは、太陽の光と熱、風を利用し、冬は暖かさを採り入れ、夏は陽射しを遮る、晴れた日には、日常的な作業ができるだけの明るさを採り入れる、風の流れで熱を排出する、自然の換気をするという設計デザインです。
自然のエネルギーを利用して、快適な室内環境を造り出します。
パッシブデザインで、快適な室内環境を作り出す為には、敷地の周辺の環境と、地域の気候に合った設計にすることが重要です。
北海道などの寒冷地と、温暖な静岡県では気候が違うので、異なる設計が必要です。
住宅が密集している地域にある敷地と、自然の多い地域にある敷地とでは、周辺の環境が違うので、この場合も異なる設計が必要です。
100軒の家があれば、100通りのパッシブデザインがなくてならないのです。
具体的には、軒や庇、窓の周辺の落葉樹によって、夏は陽射しが家の中に侵入してくることを防ぎ、冬は暖かい陽射しを採り入れる、地域の風の性質に合わせて、風の通り道をつくるというような方法が採られます。
対面の壁にある窓に、高低差があれば、風はより通りやすくなります。
壁に沿って通り抜けてしまう風は、すべり出し窓や袖壁と窓の組み合わせによって、家の中に採りいれられます。
高い位置にある窓からは、室内の熱が風によって外に排出されます。
吹き抜けからは、周辺に高い建物があっても、階下の部屋まで陽射しが届き、階下からの風は、2階の窓へと抜けていきます。
冬、無垢材や塗り壁などの自然素材の内装によって、陽射しの熱は蓄熱され、日が落ちてからの急激な冷え込みを抑えます。
陽射しが届きにくい家の奥の部屋には、陽射しを通すために、間仕切壁やドアなどに、格子やガラスを使う、ランマを設けるなどの方法が採り入れられることもあります。
このようなパッシブデザインと、優れた断熱性の組み合わせによって、夏は家に熱を流入させず、冬は家の中から熱を逃がさない家が実現します。
周辺の環境に関わらず、日当たりや風通しを最大限、確保することもできます。
その結果、家の中の環境が快適になることに加えて、冷暖房と照明に使われる電気やガスの消費量が抑えられます。
エネルギーを創る
自然から創り出すエネルギーには、水力発電、風力発電、太陽光発電があげられますが、個人の住宅に採りいれられる自然発電と言えば、今のところ太陽光発電だけです。
太陽光発電とは、屋根に太陽光発電用のソーラーパネルを設置し、太陽の光で電気を創ります。
集められた電気は、家庭用の電力に変換され、家庭内の電気として使われます。
家庭用蓄電池と組み合わせると、曇りや雨の日が続いていても災害時の非常用電源として活用できます。
また、日中は太陽光発電の電気、夜間は蓄電器に蓄えた電気を使えるので、買電する電気量を抑えられ、よりエネルギーを節約できます。
FIT（固定価格買取制度）が終了していく中、今後の買取り価格がどのように変化していくのか、明確ではない部分も多くあります。
しかし、蓄電池との組み合わせで、太陽光発電で得た電気を、家庭用エネルギーとして無駄なく使えます。
エネルギーを創る住宅としての評価には、2段階あります。
ZEHの目的は、「⾼断熱基準」「設備の効率化」で20%以上省エネを満たした上で、太陽光発電等によりエネルギーを創ることで、正味でゼロ・エネルギーを目指すことです。
しかし、住宅を取り巻く環境、屋根の大きさによっては、エネルギーを創ることに限界がある為です。
正味で75％省エネを達成したものをNearly ZEH（都市部等の市街地に建つ狭小住宅など）
正味で100％省エネを達成したものをZEH
様々な基準を満たして初めて認定されるZEHは、快適で、光熱費を節約できる家です。
ZEHを建てるためには、登録ビルダーである必要があります。
田畑工事は、ZEHビルダーです。
ZEHビルダーとは、ZEH（ゼロ・エネルギー住宅）を建てることを認定された工務店やハウスメーカーのこと。
田畑工事は住宅の省エネ・省CO2化のために国（経済産業省・国土交通省・環境省）が支援している「ZEH（ゼロエネルギー住宅）支援事業」の普及に取り組んでいます。
ZEH支援事業のHPはこちらからご覧いただけます。
家族のふれあいを大切にした家 袋井市T様邸（ZEH+長期優良住宅）
延べ床面積37.5坪の大きさで、お子様の成長（ライフスタイルの変化）に応じて変化していける可変性をもつ高性能な住宅です。
家のどこにいても家族の気配を感じ取れる、コミュニケーションを取りやすい間取りという御希望に応えたLDKと繋がる子供の勉強部屋
家族の気配を感じ取れる吹抜けをリビングと階段にそれぞれ4帖と2帖計画しました。吹抜けは1階の奥まで明るくできるのと同時に1階にいながら2階の気配も感じ取れます。
半面、大きな吹抜けには、暖房効率の低下やプライベートが確保しにくいなどのデメリットもありますので、対応策が必要でした。
室内環境への対策
■ 屋根・外壁・基礎の断熱性能を上げることにより全館を通じて冷暖房を高効率計画とする。
■ 高効率エアコンや熱交換型の換気設備を導入し、給排気による熱損失を減少させる。
■ 夏季の日射による熱上昇を抑えるよう軒の出（庇）を大きくする。
間取りへの対策
■ お子様の成長に応じて、個室を確保（プライベートの確保）が容易にできる構造と間取りにする。
子供室は現段階ではご家族全員で、広く多目的に使えるスペースとして計画し、将来子供室として家具もしくは壁で間仕切りが簡単に設置可能な計画としました。
夫婦室と子供室兼用のウオークインクローゼットを設け、それぞれの部屋を最大限大きく使えるように工夫しました。
家事各室を全て隣接（一直線）させ、短縮化を図るとともに使い勝手の向上を奥様と詳細にお打合せさせていただきました。
キッチンと隣接してアイロンがけやパソコン等の作業ができる家事室を設け、さらにパントリー、脱衣室、浴室、洗面所をそれぞれのスペースに隣接させ動線の短縮化を図るとともに、関係する諸スペースの使い方や収納物を詳細に打合せさせていただき計画に反映させました。
家のどこにいても勉強や遊びができるようにそれぞれのスペース毎に収納や机・カウンターなどを設け、片付け易く、部屋を本来の目的に利用できるよう、広く使える工夫をふんだんに盛り込んだ計画としました。
浜松で家族の暮らしに寄り添った自然素材の家を造る工務店
田畑工事は、「ご家族が生涯を通じて、健康・快適に暮らせる住まい」
という創業以来の想いを基に、家づくりをしています。
自然素材で建てられた家、一世代だけで終わる家ではなく、子や孫の代まで、心地よく暮らせる家、
家族それぞれのライフスタイルに寄り添った家をお考えであれば、
ぜひ田畑工事のモデルハウス見学や家づくり相談においでください。
