瓦屋根が美しい二世帯住宅 磐田市S様邸
景気の低迷や、コロナによって変わってしまった、制限のある日常生活が続く毎日です。
それでも、日本においては大半の方が、暖かい家庭を持ち、三度の食事を頂ける暮らしをしています。
そのような毎日の中で、「豊かな暮らし」を感じる要素には、どのようなことがあるでしょうか?
ゆったりした寛ぎの時間がある
趣味の時間を持つ
子供に習い事をさせる
週に1回程度は、ごちそうを食卓に並べる
行きたくなった時には、いつでも旅行に行く
など、人それぞれ、豊かさを感じる要素は異なります。
ただ、このような要素を支える基は、家族の健康と、良好な家族関係ではないでしょうか?
そして、家族の健康と、良好な家族関係を育む場所は、家族が住まう家です。
暖かい家族関係を育む家、居心地の良い家、きちんと暮らせる家は、ストレスを感じない生活環境を調えます。
家づくりを計画される際には、家族にとっての豊かな暮らしとはどのような暮らしなのか、考えてみませんか?
暖かい家族関係を育む家
家にとって、最も大切な要素は、家族の暖かい愛情が自然にはぐくまれる家です。
どんなに経済的に豊かであっても、家族関係に軋轢がある、子供が部屋から出てこないというような家族であれば、豊かな暮らしとは言えません。
昭和40年代から、平成初期に建築された住宅の間取りには、玄関から直接自分の部屋に行ける間取りが多くありました。
この間取りは、家族それぞれがプライバシーを維持できる、という良さがある反面、家族全員で寛ぐ場がダイニングと繋がっていない為、食事が終わると家族はそれぞれの居室に行く、外出、帰宅を気配で感じにくい、という家族の自然な触れ合いが少ない家でもありました。
このような家の間取りは、子育て中の見守りが、しにくい間取りでもあります。
家族の自然な触れ合いのチャンスが増える家は、家族の愛情を育みます。
家族全員で寛げるリビングが、ダイニングキッチンと繋がっている
子供が小さいうちは、家事をしながらでも、子供が見守れる
子供が自力で外出できる年頃になっても、帰宅、外出を把握しやすい
リビング中心の間取りには、このように良さがあります。
近年、居室が細かく分かれている間取り、玄関から直接自室に行ける間取りから、リビング中心の間取りに変化してきた理由は、家族のライフスタイルの変化です。
家にいる時間のほとんどは、リビングで過ごすという家族が増えています。
リビングでは、家族それぞれが、好きなことをするという過ごし方です。
その為、サザエさん一家のように、卓袱台を囲んで談笑する、というような茶の間より、広いリビングが好まれます。
吹き抜け、ウッドデッキや土間に繋がる掃き出し窓など、開放的で、広々とした間取りです。
吹き抜けがあると、風通しが良く、陽射しの溢れる明るいリビングが生まれ、ウッドデッキに繋がる掃き出し窓があると、よりリビングが広がり、土間があると、庭と融合するリビングが作られます。
このような要素を満たす間取りを考えると、ダイニングキッチンとリビングが繋がっている間取りが理想的です。
ダイニングキッチンと、リビングが繋がっている間取りは、子供が小さいうちは、家事をしながらでも、子供が見守れます。
対面キッチンにし、前面にカウンターを設けると、就学した子供が、お母さんの顔を見ながら勉強でき、お母さんも、食事の支度をしながら、子供の勉強を手伝ってあげられます。
また、帰宅した家族は、玄関からリビングに行く動線が作られるので、子供がいつの間にか外出してしまった、いつ帰宅したのかわからないというような状況がなく、子供の行動を把握できます。
リビングを広くするため、客間を省く間取りが多いのですが、リビングに繋がる和室を設けて、来客時には客間として使うという方法もあります。
普段は、開け放してリビングの一部として使い、来客時には引き戸を閉じて、お客様に応対するというような使い方です。
居心地の良い家
夏涼しく冬暖かい家は、居心地の良い家であり、家族の健康を守る家でもあります。
そして、居心地の家にするためには、日当たり、風通しが良く、季節の変化に応じて、室内を適温に維持できる断熱性、最適な湿度を維持する調湿性が求められます。
パッシブデザイン
日当たり、風通し、室温などの室内環境を調える為、パッシブデザインを採用するという方法があります。
パッシブデザインは、無駄なエネルギーを使わずに、敷地の周辺の環境に合わせて、室内環境が調える設計デザインです。
吹き抜けやトップライトを採用すると、周辺に住宅が密集していても、陽射しを採り入れられます。
高低差のある窓があると、広い風の通り道は生まれ、風通しが良く、夏の暑さを排出します。
深い軒があると、夏は室内に侵入する太陽の直射熱を妨げます。
太陽の位置が低くなる冬には、暖かい陽射しを室内に採りこみます。
断熱性と気密性
比較的温暖な浜松でも、住宅の断熱性は重要です。
パッシブデザインで、陽射しと風を採り入れ、軒で直射熱を遮るだけでは、夏涼しく冬暖かい家にはなりません。
屋根、壁、窓や玄関、床の断熱性と気密性が必要なのです。
冷暖房をしている部屋と、浴室やトイレ、玄関など、冷暖房をしていない場所の温度差、冷暖房をしている時間帯と、冷暖房をしていない時間帯の温度差が大きい家は、快適ではありません。
加えて、家族の健康にも悪影響を与えます。
体が冷えると、免疫力が低下し、風邪をひきやすくなったり、病気や怪我が治りにくくなったりするからです。
パッシブデザインと、断熱性、気密性を組み合わせた家は、快適で、家族の健康を守る家です。
自然素材
自然素材は、室内の湿度を調えます。
日本の住宅で、昔から使われている建材のほとんどは、調湿性のある自然素材です。
木材、漆喰や珪藻土の塗り壁、畳、和紙などは、すべて呼吸する自然素材です。
空気中の水分を調整する性質があるので、ジメジメする季節には、爽やかな空気を、乾燥する季節には、しっとりした空気で室内を満たします。
きちんと暮らせる家
豊かな暮らしには、気持ちに余裕をもって家事ができる、という要素も必要です。
無理をせずに、自然にきちんと暮らせる家が、家事を楽しめ、余裕をもって家事ができる家ではないでしょうか?
ゆったりしたリビングがあり、夏涼しく冬暖かい環境が調っていても、家の中をきれいに調えておくために、多くの労力を使わなくてはならないと、家族のストレスは、増大してしまいます。
きちんとした暮らしの為には、家事をこなすことが大切です。
その家事を、無駄な労力を使わずに、こなすためには、間取りの工夫が求められます。
動線
食事の支度や片づけ、洗濯、掃除は、必ず毎日しなくてはならない家事です。
朝は、朝食の支度をしながら洗濯をする、夕方は夕食の支度をしながら子供の入浴準備など、いくつかの家事を並行して進めることは多いのではないでしょうか?
その合間に、子供を起こしたり、宿題を見てあげたりすることもあるでしょう。
いくつかの家事を並行して進めるためには、回遊できる動線が必要です。
家事負担は、動線によって大きくもなり小さくもなるとも言えます。
キッチン、リビング、洗面所などの洗濯機を置いてある場所、階段が回遊できるような動線が家事負担を軽減します。