キッチン
生活の基本となり、家族の元気や健康の元となるのが「食事」。みい日の大切なご家族への愛を発揮できる場所でありたいもの。
キッチンには大きく分けて、独立型とオープン型の2タイプがあります。
独立型はキッチンがダイニングやリビングから完全に独立しているタイプ。
調理専用のスペースが設けられているので、料理づくりに専念できる、ニオイや煙が他の部屋に漏れにくい、お客様に調理中、
調理後の乱雑さを見られることがない、食器洗いの水道の音などが他の部屋に響かないなどのメリットがあります。
一方、狭いと家族が炊事に参加しにくくなり調理・後かたづけ中のお母さまと家族のコミュニケーションが途切れがち、小さな
お子さんのいる家庭では調理中に目が届かなくなる可能性があり、配膳から後かたづけまで動線が長くいなるなどのデメリット
があります。
独立型のキッチンにするなら、できるだけ余裕をもった広さにし、家族が気軽に家事に参加できるような計画が良いと思います。
写真実例:浜松市中区I様邸・浜松市西区S様邸 ●隠す部分とコミュニケーションのバランスを考えたい
キッチンと動線
キッチンとダイニング、リビングの関係性は重要ですが、ここではキッチンの動線に注目して「作業のしやすいキッチンは」を考えてみましょう。
キッチンは食事をつくる場であると同時に、家事のスペースの中心となるケースが多い場所です。家事というのは同時にいくつかのことを並行
して行うパターンが多いものです。洗濯場や浴室などへ行きやすいことも大切になります。
主婦の皆さんが1日に何度も出入りし、長くいる場所でもありますので、その使い勝手は主婦にとっては家全体の使い心地に直結します。
ポイントは家事動線がスムーズになるように基本設計の時から心がけること。
玄関からお客様を招き入れたり、家族がそれぞれの部屋へと移動するときの①「通り道の動線」(表動線)というのに対し②「家事動線」はその名の通り家事
作業のための通り道(裏動線)。家の使いやすさはこの2つの動線がいかに絡まず、必要なところを通過しているか、ということにかかってきます。
例えば客間はお客様を招き入れ、しかもお茶などを出す必要があります。この時入口が一つならばどちらかが遠回りを余儀なくされたり、お客様
に見せたくない裏方を通っていただかなくてはならないかもしれません。
この場合、客間に玄関から直通の入口とキッチンから直通の入口の2つをつくり、それぞれが交わらない様にすれば理想的です。
敷地やコストの関係で全てをかなえることは難しくても、それを頭において計画するだけで、その後、何十年もつづく生活がだいぶ変わってく
るはずです。
●調理における基本的動線の流れ
●キッチンからパントリー・家事室・脱衣室に直接つながる家事動線(裏動線)
写真実例:袋井市T様邸